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第26話

 泉の手に大きな掌を被せ、佐野は指を絡めた。 「優しくしてやれ」  黒崎の言葉に佐野は応え、穏やかに腰をやり始めた。  ゆっくり、深く佐野が挿入ってくる。  奥までじっくり責め上げて、またゆっくりと引き抜かれる。  何度も何度も繰り返される、抽送。  そのたびに、蕩けるように襲ってくる快感。  そして、不意を打って敏感な部分に擦りつけてくるのだ。 「んあぁッ!」  悲鳴を上げる泉を、黒崎が淡々と見ている。 「やッ。黒崎さん、お願い。見、ない……で……えッ!」 「泉。どうだ、気分は」 「ぃやぁッ」 「嫌なのか? 佐野に抱かれるのが」 「うッ、く。違……ッ」 「じゃあ、どうなんだ」

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