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ありえない新生活 4
「も……ダメ……イクッ! 頼むから、イかせてくれ……!」
狂う。
狂う……!
このままじゃ、絶対壊れる……!
必死に願っても、銀髪男は俺の欲望を握ったまま、上機嫌に顔をほころばせた。
「ああ、最初にお前を誘ったときは、手ひどく断られたからな。
逃がさないように、思考制御装置込みの奴隷首輪をつけさせたんだが。
首輪を外しても、自分からイかせてと言うなんて……リジーは元から淫乱なんだな」
……なんだって?
銀髪男の言葉に、欲望に狂っている俺の思考が少しだけ動く。
首輪って……落ちて太股に触ってるヤツか!?
首輪が外れて、自分で物事を考えることができるようになったらしい。
だけど……っ!
俺は前に、この銀髪男に誘われて……断ったことがある?
知らないぞ?
こいつとは、初対面じゃなかったっけ?
思わず首を傾げてみたけれど、俺が何かを考えられたのはそこまでだった。
俺に突き刺さる欲望が前立腺を刺激する。
「う……くっ、はぁ……っ」
銀髪男は、まるで動いていねぇのに!
吐精感が高まって、狂いそうなほどの快感が押し寄せる。
勝手にひくひく動いて締まる孔は、自分のものじゃねぇみたいだ。
我慢できねぇほどやるせなく、自分の意思とは関係なく、身体が勝手に快楽を貪ろうと動けば、また前立腺が刺激され、腰が震える。
そんな、拷問じみたスパイラルから抜け出せない……!
コレじゃ、思考制御もクソもない!
気持ち良すぎて……悦すぎて、死にそうだ……っ!
「あっあっあっ……!」
「……凄い締め付けだな」
息も絶え絶えに喘ぐ俺を、銀髪男が余裕の顔をして笑う。
「仮にも、リジーは神の御使いだろう?
奴隷の身分に落とされた、とはいえ。
淫ら過ぎると、神のご威光を汚すんじゃないか?」
俺が、神の御使い!?
奴隷の身分に落とされた!?
何を言ってんだコイツは……!?
やっと何か判りかけたのに、銀髪男は、俺を床に両手を着かせて四つ這いにすると、ガンガンと腰を使い始めた。
グジュリ、グジュ、グジュ、ヌポッ
「うっ、あ、くっ、くっ」
男が全く動かなくても、刺激の強さで死にそうだってのに!
凶器じみた太いモノが、激しく出入りし始めると、もうダメだった。
俺の穴から濡れた音が聞こえるのが、信じられねぇ!
男の後孔って……! 普通、こんな……こんなに蜜が溢れるものか?
考える間もなく、最奥まで突きあげられて、俺は悲鳴を上げる。
「ああああっ! 苦し……!」
目の前で星が何度も散り、治まる気配が無い。
過ぎた快感はただ苦しいだけで、それを和らげる仕方も全く判らねぇ。
脳みそが焼き切れそうになっている俺を銀髪男は、容赦なくいたぶりながら、猫なで声を出す。
「気持ち良すぎて、苦しい? 僕の願いを聞いてくれたら、楽にしてやってもいい?」
銀髪男の提案に、俺は首を縦に振っていた。
「こ……これが終わるのなら、何でもやる!」
必死に叫んだ俺に、銀髪男は、甘い声を出した。
「愛しい僕のリジー……君は、僕のつがいになる、と誓え」
「つがい……?」
信じられねぇ言葉を聞き返せば、銀髪男の目が、妖しく細まる。
「一生僕だけを愛し、僕のために生きるっていう契約だ。
結婚っていうヤツに近いけど、違うところは、これから先、リジーは僕に心とカラダを縛られ『絶対に』浮気ができない、ってこと。
どんなにエロいモノを見ても勃たないし、僕が望まない限り、自分の意思では吐精できない」
どうやら、俺の臍の下に浮かびあがって来たハート逆立ちマークと、銀髪男の左の手の平にあるスペードマークを重ね合わせて『つがいになる』と誓えば、それで終わりらしい。
手続きは物凄く簡単だったが、内容はクソ重い。
男であるコイツに、一生心と身体を縛られて、抱かれろ、だって!?
冗談じゃねぇ!!
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