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奴隷の少年(ルイ・スペンサー視点)3

 私が奴隷部屋の扉を蹴破って、中に侵入した時。  一番に助けるべき少年の華奢な身体は、大部屋で蠢く他の奴隷たちと銀髪男の身体に隠れて見え辛かった。  なのに、耳が異様に研ぎ澄まされ、少年の出す音だけを正確に聞き分けていた。  ズボッ、ジュリッという、卑猥な水音が聞こえる以上、何をされているのかは、莫迦でも判る。  少年が男のペニスを受け入れ、犯されている音だ。  部屋に山ほどいる奴隷と、そのカラダを楽しんでいるクズどもをかきわけ、やっと近づけた、部屋の最奥で黒髪の少年は凌辱されていた。  鏡の前で銀髪の男……帝国の大神官、エドマンド・アイスマンに床に上半身を押し付けられた上、尻にペニスを突っ込まれている。 「あっあっあ……」  苦しげに喘ぐ声を聞き、容赦なく犯される少年の姿を鏡越しに見たとたん、頭にカッと血が昇った。  銀髪男(こいつ)をたたっ斬ってやる!  突然の衝動に、腰の剣を抜刀しかけて、無言のラオ・リハクに止められた。  私たち、味方同士の静かな攻防戦を銀髪のエドマンド・アイスマンは、きっと知らないだろう。  銀髪男は、少年の胎内の中に精をぶちまける寸前だったのだ。  ヤツは、瞑っていた目を開け、莫迦のように開けていた口を閉じて、少年を犯したまま、不機嫌に唸った。 「ここはパルティア帝国船の船倉だ! ディーン王国の法律は通用しない!」  うるせぇ!  そんな事は、百も承知だ。  だから面倒な手続きがあり、本来は海にまで来ない私が呼び出されて来たんだろうが!  そう、喚き散らしたい心をぐっと抑え。  私は、海軍騎士蒼竜団団長が持って来た書類を見せつけながら、なるべく冷静な声を出した。 「いや、ディーン王国領海内であることのほうが優先だ。  しかも、パルティアの皇帝も先日奴隷廃止の国際条約に調印したにも関わらず、銀髪の神官が、神に捧げる供物の名目で奴隷売買を止めずに困っていると話を受けている。  お前には、自国皇帝からも直々に出頭命令が出ているぞ!」  そこまでして、ようやく銀髪男は、黒髪の少年から離れる気になったらしい。  よほど、少年の胎内が居心地良かったのか。 「くっ」と、そう。  低く、名残惜しそうに呻いて少年から離れてゆく様子に、また剣を抜きかけ、止められる。  この銀髪男に、相手に対する『情け』と言うモノは、無いのか!?  黒髪の少年も、奴隷として売りはらう前の、単なる味見だったのか?  太いモノを少年の中から、引きずりだしてゆく様子に優しさの欠片も無かった。

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