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奴隷の少年(ルイ・スペンサー視点)4

 ペニスが内壁をこすって出てゆく刺激が相当過激だったろう。  少年の腰が勝手に揺れるのを見計らい、銀髪男は今まで少年の分身を握っていた手を放したのだ。  よほど苦しかったらしい。  切なげに腰を揺らしていた少年は、銀髪男の肉の剣が出て行ってすぐ、そのしなやかな身を反らせたかと思うと、私の目の前で白濁をぶちまけてしまった。 「あっあ……うっ」  濃い欲望が、花火のようにはじけ飛び、その中の一滴が、私の頬を汚す。  黒髪の少年は、恥ずかしそうに震えてすぐにうずくまってしまったが、しかし。  涙を一杯ためた少年の白濁は溢れ、なかなか止まらなかった。  自分の意思に反して吐き続ける白濁を、一刻も早く静めようと尻を突きあげ、自身を抑え込もうとしているようだが逆効果のようだった。  何人もの騎士が見守る中。  大きな目に一杯涙を溜めて、一人で乱れてイク姿がエロすぎて、その場にいる男たちすべての目をくぎ付けにする。  騒然とした部屋の時間を止め、誰もが強い欲望の籠った目で少年を見……それは、私も例外ではなかった。  半分無意識に、自分の頬に散った少年の白濁を、指ですくい取って舐め……その、強烈な花の匂いに、魅せられた。  そして意識が飛んだまま、ふらふらと近づき……同じ様に少年に近づいたディザと激しくぶつかって、やっと我にかえる。 「う……っ。なにやってんだ……オレは! 好みは、女のはずなのに」  そう、茫然と呟いて、頭を振るディザを見て、私の血の気が引いた。  長いつき合いの間、色に溺れる姿を全く見たことのないディザ・ブルーが、今まで一度も見せた事のない表情で、蒼い髪を振り乱している。  マズイ! 犯され、蜜でぬめった尻を突きあげているこの少年は、男を狂わし誘う魔性のΩ性だ!  しかもディザは、私と同じα性だったが、β性で、いつも氷のように冷静なはずのラオも様子がおかしい。  どちらも、女性に人気で欲望の管理は万全のはずだった。  そもそも普段は、自制心が高く、王国騎士にふさわしい男たちなのに、コレだ。  意思の弱い者は、淫らな欲望に簡単に負けてしまうだろう。  このまま少年を放っておけば、銀髪男だけでなく、この場にいる全員に、ズタボロにされるまで凌辱されかねなかった。  慌てて、私は自分の纏っていたマントを少年に着せかけた時。  そこで、はじめて私は、見上げた少年と鏡ごしでなく、直接目があった。  くそ、一度視線が合ったら……外せない。  少年の黒い瞳はまるで、猛烈に喉が渇いている時に、水を汲む道具が一つも無いまま、深すぎる井戸の底を覗いた時に、似ている。  身の破滅を感じて、なお、暗き深淵の底に吸い込まれるようだった。  少年の方も、私に某かの感情を抱いたのか……どうか。  自らからも視線を外さずに、私をじっと見つめるしばらくの沈黙のあと、少年の花びらのような唇が、言葉を紡ぐ。 「ルイ……スペンサー」 「……っ! 」  私の、名前だ。  この奴隷部屋には、名乗りを上げて乗り込んできた以上、少年が私の名前を知って全くおかしくは無いが、もうずっと前から知っていた、みたいな言い方に、心が震えた。 「伝説と同じ黒髪の……少年?」  お前の、名前が知りたい。  そう、続けようとした時だった。  黒髪の少年は、突然身を翻し、私の目の前から、逃げ出そうとしたのは。 「待……っ」  私は、とっさに少年の腕を掴んだ。  その力が、強かったのか……それとも私に触れられて嫌だったのか。  少年の泣き顔が、みるみる苦しそうな表情に変わってゆく。  それでも、私はどうしても、聞かずにはいられなかったのだ。

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