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パニック(第8話)

 ドクンッ。 『……だよね〜』  女の子達が映る。決して鮮明とは言えないノイズが入った映像が目の前で流れた。  ドクン、ドクン。 『こっちこんといて。てか、離れてよ〜』  クスクス笑う彼女達の顔は黒く塗り潰されている。 『お前、キンデブヒヨコって呼ばれてるんだってよ』  振り返ると小学生の頃の悠治君がいる。無表情。こっちを見てる。後方にも同じ目がたくさんある。 (怖い、怖い怖い怖い怖い怖い)  笑い声も聞こえてくる。冷たい笑い声。見えない誰かも僕を笑っていて、心からかき乱され、耳を塞ぎたくなる声。  ドクン、ドクン、ドクン。 (あっ、あっ。あっ………) 「や、め……っ、…て……」  首が締まる。上手く呼吸が出来ない。口をパクパクしても吸い込むことすら出来ない。 『俺なんかが、こんな奴好きなわけねえだろ?あいつとキスなんてしたら菌まみれで死んでしまうぜ』  ドクンドクンドクンドクンドクン。 「ご……めんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 (大丈夫。悠治君も辛かったはずで、また友達になってくれたんだから) 『悠治君もこっち側だよね〜』 『当たり前やん』  ああ、行ってしまう。初めての親友も行ってしまう。 (僕がSubだから?) 「……たす、け……て……」

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