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第3話

 覚悟したのはよかったが、険しい山道を上へ上へと登るうちに息が切れてきた。  足も痛い。  それでも、歯を食いしばって案内役の男について行った。  悔しい事に、男はへらへらしている割には平気な顔で天佑の先を行っている。  ラニマに仕える人間は、こうも強いのか。  では、俺はもっと強くなって見せる。  もっともっと強くなってみせる。  少年らしい意地を持って、天佑は険しい山道を登って行った。  案内の男は、大滝の前に坐した老人を、師父(しふ)と呼んだ。 「5年で魔闘士に仕上げろ、じゃと? それはまた無茶なことを」 「そこを何とか。いやなに、師父のもとで修業すれば、3年で魔闘士になれるやもしれませんな」  では、と男は疲れも見せずに去ってゆく。  5年間この老人のもとで修業をすれば、俺も彼のように屈強になれるのだろうか。 「よろしくお願いします、師父!」

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