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第7話

 浩宇を残して、師父と天佑は再び屋外へ出た。 「こういう大切なことは、早く言っておかねばならぬ」 「は?」 「天佑。おぬし、浩宇を見てどう感じたかの?」 「え……」  天佑は、初めて師父の前で口ごもった。  初対面で惹かれました、とはとても言えない。 「実は、浩宇はΩ。発情は、強力な漢方薬で抑えてあるのじゃ」  浩宇がΩと知って、天佑は動揺した。  孤児院にも、Ωの少年は何人かいた。  誰もが苛められ、虐げられ、暗い眼をして過ごしていた。  浩宇が、Ω。  明るく快活そうな彼に、天佑の知るΩの暗い影は全く見えない。 「おぬしは、αじゃな。カラドからの手紙に、そう書いてあった」 「はい……」  深刻な顔つきと声色になってしまった天佑の肩を、師父はポンと叩いた。 「仲良くしてやってくれ。苛めたりしたら、ただじゃおかんぞ?」  その軽い動作に、天佑はホッとした。  普通にしていれば、いいんだ。  同じ人間なのだから。  そんな風に自分に言い聞かせ、天佑は師父に笑顔を返した。

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