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第8話
初めの一年は、体づくりをさせられた。
よく運動し、よく食べ、よく眠る。
修業、といっても無茶なことはなく、柔軟性や筋力をつけるようなものだ。
適度に動いたところで、終了。
過酷、と言われ覚悟していた割には、穏やかな時が流れた。
その間、天佑は浩宇について勉強にも専念した。
中国語はもちろん、浩宇が学校で学んできたことを教えて貰う。
日々穏やかなのは、この浩宇のおかげでもあるな、と天佑は考えていた。
「天佑、そこはianではなくてienと発音するんだよ」
また同じ間違いを。
恥ずかしく思う天佑にも、浩宇は根気強く教えてくれる。
いつも優しい笑顔。
勉強を間違えても決してなじったり馬鹿にしたりするようなことはなく、明るく朗らかに返してくる。
そして、浩宇の作ってくれる料理も確実に天佑の身になっていた。
「おいしい!」
「ありがとう、天佑。今日初めて作るお料理だから、ちょっぴり心配だったんだ」
一年後には、天佑はすっかり中国語をマスターし、その体は見違えるほどたくましく育っていた。
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