14 / 33
第14話
「魔闘士になるための修業は過酷じゃ。疲労を貯めこんでふらついていては、一瞬のうちに生死にかかわることもある。その日の疲れは、その日のうちに癒しておかねばならぬのじゃよ。そこで、浩宇の出番じゃ」
師父は淡々と語り、浩宇の腕が天佑の方へ伸びてきた。
「少し痛いかもしれないけど、我慢してね」
ぐッ、と腰を押された。
飛び上るほど痛い!
だが、浩宇の手前、悲鳴などあげられない。
「この二年の間に、浩宇には疲労回復の施術を教えてある」
いいいいつの間に!?
背中から腰、首、肩と情け容赦なくマッサージされてゆく。
あまりの痛みに、天佑は息をつめて耐えた。
もしかして、師父の修業より過酷なのでは!?
「天佑、ちゃんと呼吸して。ゆっくり大きくね」
いや、それ、無理!
ともだちにシェアしよう!