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第16話

 初めて針を打つ浩宇に、初めて針を打たれる天佑。  覚悟を決めて眼を閉じたが、針が刺されたとは感じなかった。  とんとんとん、と浩宇が動かす指先の振動で気づく程度だ。  大したことではない。  恐怖に駆られた自分を恥じながら、天佑は体から力を抜いた。  すると突然。 「……ッ!?」  ずん、と奇妙な刺激が身を襲った。  痛い、とはまた違う、初めて感じる刺激。  内臓の奥深くまで浸透してくるような、強い圧。

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