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第3話 最悪な行為
とうとう耳がおかしくなったかと思った。
だってそううだろ?俺みたいな凶悪面した男の処女を欲しいだなんて、どこのどいつが口にする?
こんな胸糞悪い冗談は今すぐ止めてほしいところだ。
それなのに青峰という男は、欲情した顔を俺に向けたまま。ゆっくりと服の中へ手を入れ始めてきた。
まさか肌に触れてくるとは思わず、驚きと焦りで肩がビクッと小さく震える。
その反応に、青峰の目は喜んでいた。
これは冗談でも、からかっているわけでもない。
コイツは、本気だ。
本気で俺をーー抱くつもりだ。
「ちょっ!?まてっ!!な?」
「ごめん……待てない」
なんとか抵抗しようと手足をバタつかせてみるが、青峰の手はどんどん俺の服の中へと侵入し。まるで壊れ物でも扱うかのように優しく、胸元から股関節までをゆっくりなぞり始めた。
「ッ!///」
肌触りを楽しむようにじっくりと身体を這っていく指先は、何故か俺の感じやすい場所を的確に狙ってくる。
「うっ……っ///ぁ」
女とする時とは違う。今まで感じたことも無い刺激が、ビリビリと足のつま先まで伝わって、さっきまで抵抗していた手足はもう力なんて入らない。
自分はこんなにも弱い奴だっただろうか?
「うぅっ……んっ……///」
「米田君の顔、凄くエロイ……」
「!?ッ//何言ってやが、ンッ!?」
まるで食らいつくようなキスが、俺の言葉を途中で遮った。
「んんっ!///」
開いたままの口を閉じさせないように、青峰は俺の口の中を舌で掻きまわし始める。
そのたびに唾液がくちゅくちゅと音をたてて、俺の耳を犯していく。聞きたくもないのに煩いくらい響いてきて、正直恥ずかしくてたまらない。
でもそれ以上に、この甘ったるいキスが気持ちいいと感じている自分もいた。
「んっはっ……はぁ……はぁ……///」
唾液まみれになった口は酸素を取り入れるのに精一杯で、だらしなく半開きになっている。
男で、しかも一番嫌いなタイプの野郎にキスをされて、余裕がないくらい俺は感じてしまった。
なんで?どうしてだ?
普通なら気持ち悪いはずなのに。どうして俺はこんなにも……。
「米田君、気持ちよさそうな顔してる」
「えっ!?はっ!?///し、してねぇ!!///」
図星をつかれてすぐさま弁解しようとするが、青峰は全く聞く耳を持たず。すぐさままた俺の唇を奪う。
今度はわざと聞こえるようにちゅっちゅっとリップ音を鳴らして、吸うように深いキスを繰り返す。
「ふっ、うぅ///んっ///」
長ったらしいキスにまた酸素が無くなってきて、脳がくらくらし始めた時。
痛みのような刺激が、胸の先からビリッと走った。
「ぁっ!//」
自分の声とは思えない、女みたいな喘ぎ声に意識がハッキリと戻る。
気が付けば、青峰の指先は俺の乳首をつねってはコロコロと転がして、ぷっくりと服の上からでも分かるくらい膨らむまで弄っていた。
そのたびに強い刺激が全身を走って、身体が勝手にビクビクと震えてしまう。
「ちょっ、テメェ……///マジで、やめ……ひっ!ぁ」
「乳首……弱いんだ」
一体俺のどこに興奮するのか、さらに欲情した顔で俺を見つめる青峰に恐怖すら覚えた。
「じゃあ乳首舐めながら、下ほぐしてあげる」
「……は?」
下を……ほぐす?
どう考えても、それは男にする行為ではない。
俺は女じゃないし、まんこも処女もない。俺は男で、女が好きで、男に掘られるような……そんな奴じゃない。
「……オイ……まて」
「待てない」
余裕のない青峰は自分の指がべとべとに濡れるまで舐めると、いつのまにか下を脱がされて下半身があらわになっていた俺の片足を持って。穴が良く見えるように股を開かせた。
羞恥心と、これからされる行為に対する恐怖が身体を硬直させる。
だが、飢えた獣はエサの心の準備なんて待ってくれない。
丸見えになってしまった俺の穴の中に、生暖かい感触と異物が入っていく感覚が伝わり始めた。
「うそ、だろ?」
本当に男の穴の中に、指を入れやがった。
「どう?気持ちい?」
「な、わけ……ねぇ……だろ//」
「あ、もしかして先にこっちがよかった?」
そう言うと青峰は、俺の乳首をまるで甘いイチゴでも食べるように吸付いて。ぺろぺろと舌を上下に動かし始めた。
触られる時とは違う生々しい感覚が、再び俺を襲う。
「ぁっ!//あぁあ!!///」
こんな情けない声聞きたくないはずなのに、口が勝手に開いてしまう。
嫌だ。怖い。
こんなの俺じゃねぇ。
「ッ……ほんと、や、やめ……ろ。そんなとこ、舐めてんじゃ……ねぇ……」
精一杯の威嚇したつもりだった。
だが青峰は止めるどころか、寧ろヒートアップしていく。
「米田君、可愛い」
「ひっ//やっ//ちょ、ふざけ、ん、なぁ……」
逃げたい。でもどうやっても逃げられる気がしない。
それどころか、俺の身体はどんどん欲しがっていく。もっと奥に来てほしいと。
いくら溜まってたからといっても相手は男で、しかも俺は掘られそうになってるんだぞ?なのに、なんで受け入れ態勢になってんだ俺は。
「ね、米田君」
「んっ、な、んだ……よ」
「気付いてる?指、もう二本入っているの」
「……え?」
気持ち良くてぐちゃぐちゃになっていた頭が、スッと現実に戻された気がした。
今、俺のケツの穴に。
コイツの指が二本も入ってる……のか?
「大丈夫。ゆっくりするからね」
「ぁ、ぁあ……やめ、やめろぉ……や、あぁッ!!///」
俺の中が、青峰の指でぐちゃぐちゃと掻きまわさる。
手前から奥に、奥から手前に、穴をさらに広げるように、ぐちゃぐちゃ水音をたてながら指を上下に動かす。
「あっぁっ!ひっ!!ぁあ!!///んっんっ///」
苦しい。
でも癖になってしまいそうな快感が、全身を、脳を、麻痺させていく。
「さて、そろそろいいかな?」
クラクラする視界の中、ビンッと起ちあがったそれがパンツの中から出てきたのが見えた。
明らかに俺のより大きくて、太い。
あんなのが、俺の中に……入るのか?
「入れるよ」
「い、いやっ……そんなもん、はいらな、ぃいいッーーー!!///」
想像を絶する圧迫感がずぶずぶと俺の中に入り込んで来て、今までにない刺激を与えてくる。
しかもそこからさらに奥へと入って来て、青峰が腰を動かすたびに呼吸がうまく出来なくなる。
もう、今にも壊れてしまいそうだ。
「ッ……よねだ、くん……」
「ふっ、うっ、はっ……あぁ///」
もう抵抗どころか、言葉も出て来ない。
ひたすらこの快感に、甘い声を漏らすだけ。
「あっ、あっんっ!///も、ふっ……む、むり」
「うっん……僕も出そう///」
激しく腰を振って、窮屈な俺の中で青峰は自分のを擦りつける。
そのたびに奥まで入ってきた先っぽが俺の良いところを突いてきて。もう、イッてしまいそうだ。
「ああぁぁ!!///だめっ、だっ!イ、イクッ……///」
「僕もっ……イクッ//」
一緒にイこう。とでも言うように青峰の動きは激しさを増し、そして俺達はまるで恋人のように抱き合ったままイッてしまった。
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