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第6話
この時の一真は、まだ麻希を甘く見ていた。
どうしてもセックスを迫ってきたら、こんこんと説教してやめさせるつもりでいた。
「じゃあ、さっそく今日! 今夜いい?」
「随分せっかちだな」
「すっごい溜まってるんだ。もう、困っちゃうよね」
では、と二人はカフェを出て、最寄りの駐車場へ歩いた。
自分の車に麻希も一緒に乗せていくつもりだったが、それは断って来た。
「一緒に先生のマンションに入るところ誰かに見られたら、まずいよ」
「考えてるなぁ」
後で、タクシーでマンションに向かう、と言う麻希だ。
「俺の家、知ってるのか?」
「もちろん!」
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