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第7話
いつの間に、と少々背筋が寒くなったが、情報化社会の只中に生きる高校生だ。
教師の自宅を特定することなど、容易いものなのかもしれない。
一足早くマンションに戻り、掃除やお茶の用意などしているうちに、玄関からベルが聞こえて来た。
「来たか。まぁ、上がれ」
「一真先生、汗臭い!」
ずかずか部屋に上がり込みながら、麻希はぶうぶう文句を垂れた。
「今から寝る、って時に、シャワーも浴びてないの?」
「解った解った」
麻希の剣幕に押され、一真は慌ててバスルームへ駈け込んだ。
「佐倉の奴、ホントに本気か?」
ボディソープで泡を使いながらも、そんな考えがまだ抜けきれないでいた。
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