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第8話
バスルームから出ると、慣れない香りがした。
寝室から漂ってくるその香りをたどってみると、照明はダウンライトに落としてある。
香りは、麻希が持ち込んだルームフレグランスだった。
ベッドには、麻希が寝ている。
上掛けから見える肩は、素肌のむき出しだ。
「お前、まさか」
「準備OKだよ」
あのなぁ、と腰に手を当てて見下ろすと、逆に反撃された。
「今度から、お風呂上りはバスローブにしてよね。そっちの方がやりやすいから」
「佐倉、お前は」
「お説教は聞かないから。パトロンは、僕だからね」
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