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第18話
「いや、それで良かったんだ」
一真は、ぶるんと首を振った。
生徒に恋するなんて、教師として失格だ。
今後俺がなすべきことは、一刻も早く麻希の真意を聞きだす事なんだ。
「そして、今度こそ教師として指導してやることだ」
それしかないじゃないか。
惚れた相手に金で買われる惨めな思いは、そうやって揉み消すしかないじゃないか。
これから何回、佐倉と寝ることになるんだろう。
これから何回、佐倉から金を受け取ることになるんだろう。
「ビジネス、か」
飲んでも飲んでも酔えない夜は、更けていった。
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