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第25話
季節は廻り、新しい春を迎え、麻希は卒業した。
厳かな式典。
清らかな卒業歌。
最後のHR。
何もかもが、淡々と過ぎてゆく。
そして全てが終わった後に、一真は魂が抜けたようにデスクに座っていた。
終わり、か?
佐倉とは、もう二度と会えないのか?
あの身体を10000円で抱く、奇妙な契約も終了か?
そんな折、一真の携帯が鳴った。
「一真先生、今夜来るからね」
佐倉!
思わず声を上げそうになるのを必死で飲み込むと、一真は小声でたしなめた。
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