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第26話
「お前、卒業式の日に家にいなくていいのか? お祝いとか、あるんじゃないのか?」
「パーティーは、後日改めてやる、って。父さんの都合だから、仕方がないよね」
麻希の家柄からしておそらく、政治家や付き合いのある仕事関係のトップも呼ばれるのだろう。
自分の祝いの席にまで、ビジネスの思惑が入り込む麻希に、一真は切なくなった。
「よし、来い。俺がお祝いしてやる」
「あはは。無理しないでいいよ」
それきり切れてしまった短い電話だったが、一真は生気を取り戻していた。
よし、来い!
この想い、ぶつけてやる!
これまでで一番の勇気と無謀さを抱えて、一真は告白の意思を固めた。
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