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第27話

 寿司にピザ。赤飯に鯛のお造りにケーキ。  一真は考えうる限りの祝いの料理を準備して、麻希を出迎えた。 「わぁ!」  無理しないでいいよ、と言った割には、麻希は喜んで料理を口にした。 「お屋敷のご馳走には到底およばないだろうがな」 「そんなことないよ。美味しい!」  デザートのケーキを食べ、コーヒーを飲む頃に、一真は切り出した。 「これは、俺からの卒業祝いだ。受け取ってくれ」  それは紅白の熨斗が引いてある、御祝儀袋だった。 「やだな。受け取れないよ、こんなお金」 「いいから!」  ぐいと一真が麻希に渡した祝儀袋は、やけに厚みがあって重い。  まさか。

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