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第28話
まさか、と麻希は袋を開けた。
中には、数十枚もの10000円札が入っていた。
しかも、どの札にも同じような三つ折りの折癖がついている。
「まさか、このお金って……」
一真は頷いた。
「今まで佐倉が俺に支払ってきた10000円札だ」
使うに使えず、どんどん溜まっていった10000円札。
受け取れば受け取るほど、辛かった金。
ならば、こうして使えばいい。
麻希に返すんじゃない。
卒業祝いとして、渡すんだ。
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