31 / 32

第31話

「佐倉、俺はお前の事が好きだ。愛してる。お前はどうだ?」 「えっ?」 「ずっと好きだった、って言ってくれたけど、これからも好きでいてくれるのかな?」 「一真先生……、大好き……ッ」 「大学に進んでも、時々会ってくれるか?」 「うん……、うん……!」  そこでようやく麻希は笑顔になった。 「もう、大丈夫。悩んでたこと、消えてった。傷も、今まで先生が癒して塞いでくれた」  一真は、良かった、と思った。  金銭絡みの情事も、全く無駄ではなかったのだ。

ともだちにシェアしよう!