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第31話
「佐倉、俺はお前の事が好きだ。愛してる。お前はどうだ?」
「えっ?」
「ずっと好きだった、って言ってくれたけど、これからも好きでいてくれるのかな?」
「一真先生……、大好き……ッ」
「大学に進んでも、時々会ってくれるか?」
「うん……、うん……!」
そこでようやく麻希は笑顔になった。
「もう、大丈夫。悩んでたこと、消えてった。傷も、今まで先生が癒して塞いでくれた」
一真は、良かった、と思った。
金銭絡みの情事も、全く無駄ではなかったのだ。
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