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第28話※

「っ?!」 すぐに、ビクンッと飛び跳ねた山岡の身体が見えた。 キッチンで料理をしながら、意識はバッチリそんな山岡に向けている。 フラフラと視線を彷徨わせた山岡が、困ったようにモジモジとお尻を浮かせたのがわかった。 『クスクス。まだ弱だよ?』 中で動き始めただろうローターに、すでに落ち着きをなくし始めた山岡を見て、日下部は笑ってしまう。 見るつもりでつけたらしいテレビから、すでに意識は完全に逸れている。 「なぁ泰佳~」 山岡の状態を知っていて、日下部はわざと山岡に声をかけた。 「んっ…、な、んで、すか?」 ギュッと膝の上で拳を握って、お尻の中で振動するローターの刺激を我慢しているんだろう。 目も合わせずに震える声を返す山岡は、本当に面白くて可愛い。 「あのさ、ロールキャベツなんだけど、トマト派?コンソメ派?どっちがいい?」 どうせ、好みなどない山岡のことは十分承知だ。その上で、ただ会話を持ちかけたかっただけの日下部の意地悪に、山岡は真剣に首を傾げた。 「ぅあ…っ、ん…オレ、は…どっち、でも…ゃぁ…。く、さかべ…せん、せ…の好き、なほう…」 プルプルと身体を震わせながら、必死そうに声を紡ぐ山岡。 お尻をずっとモジモジさせているのが、可笑しすぎる。 「そう?じゃぁトマトにするな。ん?泰佳、どうかした?」 分かりきっていながら、敢えて突っ込む日下部は、本当に人が悪い。 山岡は、すでに涙目になって、日下部の方をチラリと見て、フルフルと首を振った。 「だ、ぃじょぶ…」 完全に嘘だとわかる山岡の強がりは、日下部にとって楽しいだけ。 「ふぅん、じゃぁ…」 ポケットに入れた手をスイッチに伸ばした日下部は、カチッとつまみを操作した。 「っ!あぁぁぁっ…」 いきなり強につまみを回した日下部。 突然暴れ出したローターに驚いたのだろう。ピョコンとソファから立ち上がった山岡が、ギュッと自分を抱き締めて、床に崩れ落ちる。 今度は無視も堪えることもできないだろう。強くなった刺激に、身悶える山岡。 「泰佳?」 クスッと笑って、キッチンを回り込み、リビングにやってきた日下部。 床に蹲る山岡の側に膝をついて、震える身体を支えて起こす。 「クスクス。辛い?」 「っ…」 「少しは気持ちいいみたいだね」 そっと起こした山岡の前が、ゆるくズボンを押し上げているのを見て、日下部は嬉しそうに笑った。 まさか、あの不思議な道具が、こんなものだったとは思いもよらなかったのだろう。すっかり余裕をなくした山岡が、ギュッと眉を寄せていた。 「ゃ…ぁ…、と、めて…。お願い、とめて…千洋っ…」 無意識か。目の前の日下部に縋りつき、涙に潤んだ目で、上目遣いに見上げてくる山岡。 哀れっぽい表情に、計算なく下の名前を口走るところがたまらない。 「ふふ。でも、お仕置きだからな。それに、嫌なだけじゃないだろう?」 勃ち上がりかけている山岡の中心をそっと撫で上げ、日下部は意地悪く笑った。 「ふぁぁっ…」 ビクッと身を竦めた山岡の反応が可笑しい。両手でギュッと日下部の服を掴みながら、必死で見上げてくる顔からは、髪がサラリと分かれていて、綺麗で色っぽい表情が見えている。 「でもまだ許さない。俺が夕食作り終わるまで頑張れな」 クスクス笑いながら、山岡の身体をソファに戻した日下部は、縋ってくる山岡の手をそっと引き剥がした。 「我慢できなかったら、自分でしていいよ」 「っな…」 「じゃ、俺、料理の続きあるから」 「っ…そんな…」 絶望に泣き出す山岡を可愛いと思いながら、日下部は敢えて厳しく、山岡を放置してキッチンに戻った。 前立腺には当てていないし、まだまだ未熟な山岡の身体は、あの程度の刺激ではイケないだろう。 そんな山岡の身体を解し、拓いていくつもりで与えた、お仕置き兼開発。自分好みに山岡の身体を躾けるつもりの日下部は、一石二鳥の企みを持ちながら、山岡が自慰を始めるのをのんびりと待った。 けれど結局、日下部が夕食を完成させるまで、ソファの上で悶えながら耐えてしまった山岡。 さすがの根性に、日下部は苦笑しながらも、ローターのスイッチを切ってあげた。 「っ…はぁ」 ピタリと止まった振動に安心したのだろう。途端にクタリとソファの上で脱力する山岡が見える。 「泰佳。出来たよ、おいで」 ダイニングテーブルに夕食を整え、呼びかける日下部に、山岡はぼんやりと顔を上げた後、コクンと首を振った。 『本当、頑固』 今は止まったとはいえ、散々刺激を受けていた後ろはもう疼いてたまらないはずだ。 前だって、先ほどより明らかに角度を増しているし、多分下着に染みを作っているのは間違いないと思うのに。 「い、ま、行き…ま、す…」 フラリと起き上がり、ヨロヨロと歩き出した山岡が、テーブルに辿り着く前にカクンと膝を折ってしまった。 「おっと。ほら、無理するから…」 「ふっ…ぇっ、ぇっ…」 「言わないなら、このまま本当に食事させようと思ったけど…」 「ひっく、ぇっく…」 床に座り込んで泣き出してしまった山岡に、さすがに日下部はやり過ぎたかと苦笑した。 「こんな泣くほど辛いなら、我慢してないでお願いすればいいのに」 「っ…し、た…のに…。許さ、ない…て…」 ふぇぇ、と泣きながら言う山岡に、日下部は、ん?と首を傾げた。 「あ、あぁ。さっきのとめて、ってやつか。それは駄目だよ。だってお仕置きなんだから」 「ふぇぇっ…」 「そうじゃなくて、こうだろ?」 泣きじゃくってどうしようもない山岡のズボンに手をかけて、日下部はそれを素早く下ろしてしまった。 「っ?!な…」 やっぱり先走りで濡れている下着にも手を伸ばし、ズルリと引き下ろしてしまう。 「ゃぁっ…」 ピョコンと顔を出したペニスに、山岡が恥ずかしがって身を捩った。 「ほら。ここ触って、イかせて?ってお願いすればいいんだよ」 「そんなこと…っ」 「ほら、言ってごらん」 触るか触らないかという微妙なところに手を掠め、日下部が催促する。 恥ずかしがって顔を俯けた山岡が、無理だと首を振る。 「へぇ?じゃぁまたスイッチ入れちゃおうかな」 ニコリ。綺麗なのに意地悪な日下部の笑みに、山岡はビクッと身を竦めてから、ギュッと目を閉じて、震える唇をノロノロと開いた。 「お、お願い…」 「なにを?」 「っ!…い、い…か、せ…て、くださ…」 「どうぞ?」 「っ!」 山岡の言いたいことはわかっていながら、Sモードに入っている日下部はどこまでも意地悪だった。 「っ…さ、触って…いかせっ…ふぇぇっ、千洋ぉ」 限界、だ。ブンブンと首を振ってさらに泣き出した山岡に、日下部はにんまりと満足の笑みを浮かべた。 「まぁ、合格にしてあげる」 クスッと笑って、不意に山岡の中心を掴んだ日下部。そのまま上半身を折り曲げ、山岡のペニスを口に含む。 「っや…、やめっ…」 この前もしたのに、やっぱり抵抗があるらしい。 慌てて日下部の頭を引き剥がそうとする山岡に、日下部はわざと舌使いを激しくした。 「っあ、ぁぁっ!んんっ、はんっ…」 一気に完勃ちした山岡を、そのまま激しく追い立てる。 こうして与えられる快感に慣れていない山岡は、直ぐに絶頂寸前まで高められた。 「っや、ぁぁっ!で、ちゃう…でるっ…」 「どーぞ」 クスッと笑って強く吸い上げた日下部に、山岡は堪える余裕もなく射精した。 「んっ…」 ゴクンと出されたものを嚥下した日下部を見てしまった山岡が、射精の余韻も忘れ、ざっと青ざめる。 「そ、んな…飲んっ…」 「ん?あぁ。デザート先にもらっちゃったな」 サラリと言う日下部は、なんでもないことのように笑う。 「は、吐いてくださいっ。そんなっ…オレの…」 「別に毒じゃないんだから。それよりほら」 ワタワタと困っている山岡を楽しんで、日下部はまだ力の抜けている山岡の両足を掴んで左右に開いた。 「わっ…」 後ろにひっくり返りそうになって、慌てて山岡が手を着く。 「取ってやるから…」 反射的に足をギュッと閉じようとする山岡に苦笑して、日下部は開いた足の間に手を伸ばした。 「んっ…」 大人しくコロンと寝転がり、我慢して足を開いたままいる山岡のお尻の中から、ローターを取り出してやる。 排泄のような感覚に、山岡がブルッと震えて泣き出した。 「ゃぁぁ…ぅぇんっ」 「ほら、取れたから。もう泣くな」 「ふぇっ…んっ」 異物感が消えた途端、パッと足を閉じて、急いて身を起こす山岡が可笑しい。 「クスクス。禁止令破ったこと、後悔したろ」 泣きじゃくる山岡の頭をよしよしと撫でて、日下部はあくまでお仕置きのていを貫き通した。 「もっ…眼鏡っ、絶対しませんっ…」 よほど懲りたか。自らそう誓う山岡に、日下部は満足げな笑みを浮かべる。 「いい子、いい子」 「いい子って…」 「クスクス、ほら、服を戻したらご飯にしよう」 いい加減、日下部も空腹だ。 ハッと下半身が剥き出しなことを思い出した山岡が、慌てて下着とズボンを戻し、立ち上がった。 「どうぞ」 クスッと笑って椅子を引いてくれる日下部に、山岡は戸惑いながらも腰を下ろす。 「うわ、美味しそう」 テーブルに並んだ料理を見た途端、涙の名残を消して、ふわりと微笑む顔が綺麗だ。 「たくさん食べろな」 「はぃ。いただきます」 いつだってきちんと手を合わせて挨拶する山岡を眩しそうに見つめて、日下部もまた食事を始めた。

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