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第170話※
「はぁっ…んっ、ち、ひろ…」
トロンとなった色っぽい山岡の目が、ゆるりと細まり日下部を見つめる。
「し、たい…」
力が入りにくい身体を必死で起こして、山岡はオズオスと日下部のズボンの前に手を伸ばした。
「こら、腹筋使うなよ…」
肘はついていたものの、軽い反動でぐっと起き上がった山岡に、日下部が苦笑する。
山岡はぼんやりとした目を日下部に向けたまま、コテンと首を傾げていた。
「だいじょぶ…です…。だ、から…」
遠慮がちに日下部の中心に触れた山岡に、日下部はふわりと微笑んで、ドサッと山岡を押し倒した。
そのままヒョイとベッドに上がり、山岡の半端に下ろされていたパジャマのズボンをスルッと完全に足から抜き去った。
下着も一緒に脱がせて捨ててしまう。
「んっ…や…」
完全に露出した山岡の下半身の間に身体を割り込ませ、日下部はその中心に顔を埋めた。
「ひぃゃぁっ…だめですっ、そんなところ…」
何度されても慣れることのないフェラチオに、山岡の悲鳴が上がる。
日下部はそんなものはあっさりと無視して、すでに再び力を持ち始めた山岡の中心に舌を絡めた。
「やぁぁぁ…」
いや、と言いながらも、日下部の髪にくしゃりと指を絡めた山岡は、日下部の頭を引き剥がそうとはしていない。
「久しぶりだから、早いね」
裏筋を舐め、先を吸い上げ…と煽る日下部に、山岡の中心はあっさりと角度を取り戻した。
「っ…言わ、ない…で、くださ…」
恥ずかしい、と目を潤ませる山岡に、日下部はゾクゾクする。
日下部も日下部で、山岡が昏睡している間、禁欲生活を余儀なくされていたため、いつもよりずっと早く、山岡の中に入りたい衝動に駆られていた。
「っ…あぁっ、やっ…だめですっ」
中心を舐めていた日下部の舌が、スルリと下に向かい、山岡の蕾をツンツンとつついた。
グイッと両足を持ち上げられ、左右に開かれた山岡が、羞恥に震える。
日下部はその間に顔を埋め、蕾の中に舌を差し入れた。
「やぁぁぁっ、いやぁ、だめぇ…」
蕾の襞を1つ1つなぞるように舐め濡らされ、山岡が恥ずかしさに首をフルフル振りながら、ツゥッと生理的な涙を流した。
「ん…」
唾液で舐め濡らしたそこに、ツプッと指を入れた日下部。すぐに2本に増やした指で、性急に山岡の蕾を解す。
「んぁっ…やぁぁ、もっ…い、から…」
「ん?うん」
「は、やく、欲しっ…」
限界、と眉を寄せる山岡に煽られ、日下部は指を引き抜き、素早く取り出したゴムのパッケージを口に加えて、ピッと片手で開けた。
「あぁぁ、ち、ひろ…」
グッと押し付けられた日下部の熱いものに、山岡が小さく腰を揺らす。
「んぁっ…あぁっ!」
グイッと腰を押し進められ、ズブズブと入ってきた日下部自身に、背を仰け反らせた山岡の嬌声が上がる。
すでにここが病室であることは頭の中から消し飛んでいるようだ。
「ん、泰佳…」
熱が冷めたらさぞ恥ずかしがるだろうな、と思いながら、日下部はグッと腰を突き入れ、同時に山岡の唇を自分のそれで塞いだ。
「んっ…んんっ…」
くぐもった喘ぎ声が山岡の口から漏れる。
「泰佳、動くよ?」
山岡の表情と声に苦痛がないのを見て取って、日下部はゆっくりと抜き差しを開始した。
「んっ…んん、っん」
ギリギリまで引いた腰を、山岡の呼吸に合わせてズンッと突き入れる。
ビクンと仰け反り、中をキュウキュウ締め付けてくる山岡に、日下部の余裕も少しずつ奪われていく。
「ん、泰佳…好きだよ。おかえり。おかえり…」
徐々に早く、徐々に深く強く、日下部は山岡に腰を打ちつけ、山岡の中を硬い熱で擦り上げた。
「っ、はっ…あっ、んんっ」
声を奪い去るように、何度も角度を変えてキスを交わす。
パンパンと肌と肌がぶつかる音が響き、徐々に日下部の息が荒くなる。
無意識に山岡は日下部の腰に足を絡め、もっともっとというように、日下部の動きに合わせて腰を揺らしていた。
「んんっ、ち、ひろ…好き…」
「ん。俺も」
「んっ…もっ、出るっ…。ち、ひろ、ありがっ…」
「うん。いいよ、いって」
山岡の奥のいいところを突き上げながら、中を思い切り擦った日下部に、山岡はビクビクと仰け反りながら、快楽の証を放出する。
「っ、くっ…」
ビュッと山岡が白濁を吐き出したのとほぼ同時に、キュンと強い締め付けにあった日下部もまた、熱い飛沫を放った。
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