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第217話※

「っ!」 ヌルヌルとしたローションがついた手で、日下部が胸の飾りを撫でた。 摘んで、押しつぶして、と弄られ、山岡の身体が意思に反してビクビクと跳ねる。 「やぁ…」 「ここ、感じるようになったな」 ツンと尖って赤く膨れてくる胸をグリグリと刺激して、日下部はツツツーッと手を下に滑らせた。 「っ、ん…」 今度は緩く頭をもたげた山岡のペニスを握り込む。 「んっ…ぁ」 ローションをたっぷりつけた日下部の手が、ヌルヌルと上下に動き、直接的な刺激に、山岡の中心はゆるやかに勃ち上がっていった。 「あぁっ…やぁ…」 「嘘つき。勃ってるよ」 ピンッと山岡の性器を指で弾いて、日下部はさらにその手を下に滑らせた。 「ひっ…あ、あぁぁ…」 尻の割れ目に滑り込んだ日下部の指が、ツプリと奥の蕾に入れられた。 ピクンと身体を揺らした山岡が、不自由な両手をジタバタともがかせる。 その度にビンッと突っ張る拘束のベルトに、山岡の眉が寄った。 「んっ、やぁ…いやぁ…」 お尻の中でクイッと曲げられた日下部の指の感触に、山岡はフルフルと首を振った。 「嫌?そんなこと言いながら、ここは奥へ奥へと俺の指を飲み込もうとしているけど?」 意地悪に唇の端を持ち上げながら、日下部は山岡の後ろに入れる指を2本に増やした。 「っ、あぁ…やぁ…」 ローションをたっぷりと掬った指が、グチュグチュと音を立てて後ろに入っていく。 中にローションを塗り広げるように動く日下部の指に、山岡は切なそうに身を捩った。 「ふぇぇ…やぁ…」 ポロポロと生理的な涙を流す山岡の様子を眺めながら、日下部はたっぷりとローションを蕾の奥に塗り込み、ズルッと指を抜いた。 「っあ…?」 突然の喪失感に、山岡の目がフラリと彷徨う。 日下部はフッと冷たく鼻を鳴らしながらそれを見つめて、ニコリと唇の端を吊り上げた。 「なぁ、どう?」 ん?と山岡の顔を覗き込んだ日下部を、山岡はキョトンと見つめ返した。 「すぐに分かる」 にっ、と微笑む日下部の目がとても意地悪で、山岡は不思議に思いながらも、何かよくない予感に鼓動が早くなるのを感じた。 「あの…」 「ん?」 「っ!」 不思議そうにしていた山岡の顔が、突然ギクリと強張った。 ビクッと震えた身体に、山岡はハッと日下部を見る。 「なっ、これ…いやぁっ!」 突然湧き上がった後孔の痒みと、ジンジンと熱く痺れるような快感に、山岡は仰け反りながら足をぐずぐずともがかせた。 「やっ…かゆっ、熱いっ、あぁぁ」 蕾が熱い。気づけば胸も、ペニスも熱く、ジンジンと熱を持っている。 「あぁっ、なに…なんでっ…」 一気に高まった快感に、山岡は拘束された手をギシギシと動かした。 「効いてきたみたいだね」 ニコリと楽しそうに笑う日下部が、ゆっくりとローションのパッケージを掲げて見せた。 「まさか…」 「うん。これ、媚薬入り。クスクス、初めてだから効くね。どう?って、いいみたいね」 完全に勃ち上がって震えている山岡の中心を見て、日下部が意地悪く笑った。 「っ、いやぁ…やっ、中っ、熱い…」 「今日のは本物。すごい、もう蜜を垂らしてる」 スゥッと意地悪く目を細めながら、震える山岡の中心をピンッと弾く日下部。 たまらずに山岡の腰が揺れる。 「いや、いや…日下部、っせんせ…」 「ん?」 「う、しろ…かゆっ、熱い…」 イヤイヤと首を振って叫ぶ山岡に、日下部はニィッとザディスティックな笑みを浮かべた。 「どうして欲しい?」 「っ…」 「ん?」 「ふっ…あんっ…や、た、すけ…」 「助ける?どうやって?」 「う、うしろっ…んぁっ、や…こすっ…て」 ブワッと目にいっぱい涙を浮かべながら、山岡が精一杯の懇願を口にした。 「いいよ。してあげる」 フッと意地悪く笑った日下部に、ホッと熱のこもった視線を向けた山岡は、次の瞬間、その期待があっさり裏切られることとなった。 「っ?」 ふと、蕾に添えられた何かに山岡は気がついた。 それは山岡が望んだつもりの、日下部の熱ではなく…。 「なに…あぁっ!」 え?と山岡が思った瞬間には、ズブリと後孔にその何かが突き入れられていた。 そこそこ太さのあるそれがバイブであると、山岡はすぐに察する。 「っあ…あぁ…」 ズブズブと奥まで押し込まれ、いいところにしっかり当てられたバイブに、山岡は仰け反り身悶えた。 「いやっ、いやぁっ…」 「なんで?後ろ、擦って欲しかったんでしょ?」 クスクス笑う日下部は、山岡が何を求めていたのかを分かっていて、敢えて意地悪をしている。 「っ、ちがっ…こんな、じゃな…っ、あぁっ」 道具じゃなくて、と泣きじゃくる山岡を楽しげに見下ろして、日下部はふと手を別の方に伸ばした。 「こっちもたまらないでしょ」 こっち、と言いながら、硬く尖った乳首に触れた日下部に、山岡の身体がピクンと震える。 「ふぇ…?」 強制的に与えられる快感にぼんやりとした山岡の目が、日下部をユラリと見つめた。 その目の前に、今度はニップルクリップが差し出された。 「どうかな?最初は痛いかな?」 ニコリと楽しそうに微笑みながら、日下部は山岡の赤く熟れた乳首を捕らえ、そこをギュッと摘んで、クリップをつけてしまった。 「ひぁっ…あぁぁ」 ピクンと震えた山岡は、ジーンとした熱さに、感じるのは気持ち良さ。 「へぇ?いいんだ?」 フルリと中心が嬉しそうに震えてしまったことを言われ、山岡はカァッと顔を真っ赤にして首を振った。 「嘘つき。じゃぁこっちもつけてあげる」 ニコリと笑って、日下部はもう片方の乳首にもクリップをつけてしまった。 「っ…あぁぁ」 気持ちいい、と思った山岡は、それが嫌で涙を流した。 媚薬の効果とはいえ、浅ましく快楽を得てしまう身体がたまらない。 「さてと」 クスクスと笑った日下部が、最後にカチッとバイブのスイッチを入れる。 「いっやぁぁ…」 奥のいいところを刺激しながら動き出したバイブに、山岡の身体が跳ねた。 一気に中心に集まった熱が、解放を求めて荒れ狂う。 「あっ、あっ…い、く…イッちゃう…」 「いいよ」 ギシギシと不自由な両手をバタつかせながら、山岡はヒクンッと白い喉を晒した。 「いや、嫌だぁ…やっ、あぁぁぁあっ!」 一際大きな悲鳴を上げた山岡が、ビクンと身体を突っ張らせて、絶頂を迎えた。 吐き出された白濁が、パタパタと山岡の腹を汚す。 「ふぁっ…ぁぁぁ、やぁ…」 射精の余韻に休む間もなく、後ろに入れられたままのバイブが刺激を続けてきて、山岡はまた勃ち上がっていく前に泣き叫んだ。 「いや、いやぁっ…。くさかべっ、せんせ…っ」 「なに?だって山岡、助けて、擦ってって言ったでしょ?俺、ちゃんと言われたことしてあげてるよな?」 「っ…ちがっ…やぁぁぁ」 「ちゃんと言わないんだもん、な?まぁでも、お仕置きだからね。頼まれても挿れてはあげないけど」 「っ…」 「ふふ。まぁ、せいぜい楽しんで」 「え…?」 ニコリと笑って、ゆっくりとベッドから離れた日下部に、山岡は不安な目を向けた。 けれどもすぐに次の高まりに呑まれ、日下部から視線が剥がれ、身悶えてしまう。 「そろそろとらが来る頃だし」 ベッドから遠ざかって行った日下部は、笑顔のまま、リビングに通じるドアのノブに手をかけた。 「まさか…」 「好きなだけイッていいからな」 ニコリと笑ってプラプラと手を振る日下部に、山岡がまさかこのまま放置されるのか、と気づいて、ポロポロと涙をこぼした。 「千洋っ…」 「クスクス、駄目。お仕置きだって言っただろ?田村とかいう奴にノコノコとついて行ったこと、たっぷり反省するといいよ」 じゃぁ、と言って、寝室のドアを開け、日下部はリビングへ出て行ってしまった。 「そ、んな…あっ、やぁっ…んんっ…」 パタンと閉じてしまったドアに絶望しながら、山岡は媚薬のせいで嫌でも感じる身体に、また嬌声を上げ始めた。 ポロポロと落ちる涙と同時に、中心からもまた堪え切れない快楽の雫が溢れていた。

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