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第272話※

そうして食事を済ませ、順番に風呂に入った2人が寝室に入ったのは、すでに日付もとうに超えた頃だった。 「ふっぁぁ~」 疲れたぁ、と脱力して、ベッドにコロンと転がった山岡を、キシとベッドに腰かけただけの日下部が苦笑して振り返った。 「もうこんな時間。まぁでも3時間は寝れるか」 ニコリと笑いながらベッドに横になろうとしている日下部を見て、ふと山岡が、コロコロコロと寝返りを打ちながら日下部の側まで近づいてきて、コツンとその腰に額を当てた。 「ん?泰佳?」 寝転がろうとしていた場所を奪われ、日下部はゆるく首を傾げた。 「っ…」 「う~ん、明日は午後、合同カンファか。緊急入らなきゃ、オペはないな」 ニコリと笑う日下部に、山岡の身体がピクンと震えた。 「いいの?」 「っ…あ、の…オレは…。で、でも、日下部先生はお疲れですよね、ごめんなさい」 キシッとベッドに足を上げた日下部から、コロコロとわずかに遠ざかり、山岡がハッとしたように毛布を引き寄せた。 「謝るな。で、隠れるな」 カァッと顔を真っ赤にして反対方向を向いてしまった山岡を、日下部はグイッと自分の方に転がし返してしまう。 「ふふ。夕方のあれだけじゃ、足りなかった?」 「っ!」 「それともオペのせい」 ニコリ、と意地悪く顔を緩ませた日下部に、山岡が両腕を顔の前にクロスして表情を隠してしまった。 その羞恥と欲望に揺れる山岡の仕草がたまらなくて、日下部は顔を隠した山岡の腕をグイッと掴んで開いてしまった。 「俺は両方だよ」 ふふ、と笑いながら、山岡の顔の左右に押さえつけた手に指を絡めて握り締め、そっと顔を近づける日下部。 言わずと知れたキスの予感に、山岡は恥ずかしそうにしながらもまぶたを伏せていく。 「んっ…」 しっとり塞がれた唇の感触に、山岡が薄く口を開く。 その隙間からスルリと侵入した日下部の舌が、未だに初めは驚いたように震えて逃げる山岡の舌を捕まえた。 ピチャリ、クチャリと艶めかしい水音が響き、山岡の身体からクタリと力が抜けていく。 「ふぅ、んっ…」 鼻に抜けた色っぽい声が山岡から上がり、ジンと腰に来るその声色に、日下部の目が嬉しげに細くなる。 「んぁ…」 ピチャリと水音を残し、離れた2人の唇の間に、唾液の糸が引く。 「ふぁっ、ち、ひろ…」 「ん。プラス、好きだから」 ふふ、と笑った日下部の言葉の意味は、キスでボーッとした山岡はすぐに理解できない。 「愛しているよ、泰佳」 チュ、チュと目尻に頬にとゆっくり下に下りていくキスを感じながら、山岡はスルリとパジャマの裾から入り込んできた日下部の手にピクリと震える。 「あぁ…」 優しく肌をなぞる日下部の手に、わき上がる快感が心地いい。 「オ、レも…オレも」 ようやく日下部の言葉の意味が頭の中に落ちてきて、山岡はニコリと笑って、日下部に協力するようにそっと腰を上げた。 「おや、積極的」 クスリと笑った日下部が、持ち上がった腰から一瞬でスルリと山岡のズボンと下着を抜き取った。 ペタンと落ちたお尻を許さず、そのまま太ももに手を掛けた日下部が、グイッとそこを持ち上げてしまう。 「っや…」 胸に着くほど上げられた足に、中心から後ろの蕾までが露わにされ、山岡が恥ずかしそうに身を捩った。 「ふふ、嫌じゃないでしょ。期待して震えているよ?」 上半身から離した手で、スルリと中心を撫で上げてきた日下部に、山岡の身体がビクンと仰け反った。 「っ…あぁ」 ユルユルと刺激され、次第に質量も角度も増した山岡自身に、日下部の目が嬉しそうに緩む。 「ふふ、夕方のお返し」 ふと上半身を折り曲げた日下部が、悦びに震えている山岡の中心を迷わず口に含んだ。 「んぁぁ!っやぁ…」 驚いて一瞬上半身を起こした山岡が、けれどすぐに日下部の舌使いに力が抜け、パタンとベッドに倒れてしまう。 クシャリと無意識に日下部の髪に通した指が、綺麗な髪を弄ぶ。 「んっ、ふっ…」 わざとピチャピチャと音を立てて舐められ、山岡がたまらず目に涙を溜めた。 「やぁ、千洋っ…」 イヤイヤと首を振りながらも、山岡の手は日下部の頭を押さえつけるように力を入れている。 「ふふ、かーわいい」 思う存分山岡を舌で育て上げて、日下部は不意にそこから口を離した。 「ふぁ?」 「ん?今日は何度もイッちゃうと大変だから」 気分は高揚していても、身体は疲れてるはず、と笑う日下部は、はち切れる寸前で山岡を解放し、その奥の蕾に舌を伸ばした。 「あぁっ!そんな、とこ、駄目っ…」 チロチロと入り口を舐められ、時折ツプと潜り込んでくる舌に、山岡が仰け反り暴れる。 それを押さえて、日下部は丁寧に山岡の固く閉ざされた蕾をしっかりと舐め濡らした。 「ん、いけるかな」 山岡もその気になっているお陰か、すぐに柔らかくとろけてきた蕾に、今度はスッと指を差し入れた。 軽々と1本飲み込んだそこに嬉しくなりながら、日下部はすぐに2本目を突き立てた。 「んぁっ、あぁ…」 山岡から上がるのが嬌声のみなのを聞き取り、日下部はさらに指を増やす。 「あぁっ、もっ…いい、からっ…」 グリグリと蕾を解す日下部の指に焦れたか、山岡が腰を上げて催促するように叫んだ。 「千洋っ…」 早く、と涙に濡れた目を向ける山岡に、日下部はニコリと余裕の表情で笑った。 「ん~?」 「っ!…い、じわる、しな…で…」 「意地悪?」 ふふ、と笑いながら、ジュボジュボと3本の指を抜き差ししている日下部に、山岡がフルフルと首を振った。 同時にパラパラと山岡の目から水滴が散る。 「やぁ、ゆびっ…ぬ、て…」 「抜いていいの?」 「っん…ち、ひろ…」 コクコクと首を振る山岡を見て、日下部がスッと指を全部引いてしまった。 すっかり緩んだ後ろを見せつけるように、山岡が無意識に腰を振る。 「どうしたの?」 「やぁっ、は、やく…ちょ、だい…」 「なにを?」 「ふぇっ…ち、ひろっ…千洋が、ほ、しぃ…」 ここ、と必死で後ろを示す山岡の醜態にたまらなくなり、日下部はようやく意地悪をやめて山岡の腰をグイと掴んだ。 そのまま自身の猛ったものを引き出し、すっかり解れた蕾に押し当てる。 「んっあぁ!」 ズンと一気に腰を進められ、山岡はたまらず仰け反って白い喉を晒した。 「ふぁっ…あぁっ、ち、ひろ…ちひろっ…」 好き、としがみついてくる山岡に煽られ、日下部の中心がさらに力を増す。 ドクンと大きさを増した日下部に、嬉しそうに瞳を緩ませた山岡が、ギュゥッと日下部に抱きつきながら、その耳に頬を寄せた。 「好き。好き、千洋…もっと、強く…して…」 囁きながら腰を揺らした山岡に答えるように、日下部の動きが激しくなる。 ズンズンと奥を突かれ、山岡はたまらず仰け反り嬌声をあげる。 「あぁっ、あんっ、はぁん…っ、き、もち…」 「好きだよ、泰佳。愛してる」 深く激しく山岡を突きながら、日下部もまた絶頂へ向かって駆け上がっていく。 「千洋っ、千洋っ…あぁぁっ」 一際大きく仰け反った山岡の身体がビクビクと震える。 同時にギュゥッと強い締め付けにあった中を、日下部が何度も擦り上げる。 「っく…あぁ」 艶めいた声を漏らした日下部もまた、快楽の証をドクッと吐き出し、ゆっくりと脱力した。 「ち、ひろ…」 ヘニャリと幸せそうな笑みを浮かべた山岡が、そのまま気を失うようにスゥッと眠りに落ちた。 「あぁ…」 さすがに疲れた、とようやく感じた日下部もまた、重くなってくる瞼を感じた。 手早く山岡が出したものを処理してやり、パジャマも戻してあげた日下部もまた、その後すぐにストンと眠りに落ちていった。

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