304 / 426

第304話※

「っ、ちょ、待ってくださいっ、日下部先生、なんですか、それ…」 ふわりとベッドの上に下ろされた山岡が、どこからともなく日下部が取り出したものを見て、ギョッと身を引いていた。 「ん?何って、知らない?カテーテル」 「っ…そ、りゃ、知っていますけど…」 ヒクヒクと顔を引きつらせる山岡も医者だ。 日下部がおもむろに手にした器具のことなど、名称から使い方までしっかりと分かっている。 「ん~、酔っている山岡も可愛くていいんだけどな」 「はぃ…?」 「とらのために飲んだ酒だろう?やっぱりそんなの早く抜くに限るよな」 「あの…」 「手っ取り早く排出させてやろうかと」 にっこりと、本気なのか冗談なのか分からない笑顔を浮かべて、日下部がジリッと山岡に迫る。 「ちょっ、待っ、日下部せんせっ…」 「それにほら、山岡、大量にお酒を飲んでいたし。これから、気持ちよくなりすぎちゃってさ、漏らしたら、嫌だろう?」 だからな?と笑う日下部に、山岡の目が全力で怯えを映し、ブンブンと千切れんばかりに首が左右に振られた。 「大丈夫、俺は医者だよ?」 「っ~~!知ってますけど…」 「この処置も上手いから安心して」 「そういうことじゃなくて…」 「あぁでもただ、キシロカイン(麻酔)は持ってきてないから、ちょっと痛いかもしれないけど。大丈夫、すぐに気持ちよくなるよ」 にっこり。どこまでも胡散臭い笑みを浮かべた日下部に、山岡の目がじわりと濡れて、ボロボロと涙があふれた。 「や、です…。嫌です、そんな…」 うぇぇ、と泣き声を漏らす山岡に、日下部の目がユラリと妖しい光を宿す。 「それ、何の涙?」 「っ…ちひろが、意地悪ばっかり言うから…」 うぇぇん、と嗚咽を上げた山岡に、日下部の瞳が、ゾクリと欲情を浮かべた。 「俺が泣かせてる?」 「っ、他に誰が」 「そう。クスクス、満足」 「な、に言って…」 「ふふ、かぁ~わいい。本当は期待している?」 クスッと笑った日下部が、スルリと山岡のズボンの前を撫で上げる。 「尿道プレイ」 「っ、にょ…プレっ…?」 「されると思ったら、ここ、膨らんじゃった?」 にっこりと、どこまでも愉しそうに笑った日下部が、ジーッと山岡のズボンのチャックを下ろし始めた。 「っな、そんなわけ…」 「でもほら。説得力ないんだけど」 「っ…」 カチャカチャとベルトも外され、軽く下着をずらされたそこから、山岡の性器が元気よくプルンと飛び出した。 「っ~!これは…最近、その…」 「あぁ、あんまりシてなかったからね」 「っ…だ、から…ベッドに、運ばれて…」 「ふふ、それで期待にこんなになっちゃったの?」 「……」 カァァッ、と、アルコールのせいではない、さらに朱を差した山岡の頬を、日下部が愛おしそうに見下ろす。 「本当、たまらないね。クスクス、安心して?こんな小道具、本気で使う気はないから」 「ちひろ?」 「ただちょっと、あまりに泰佳がとらとら言うから、苛めたくなっちゃっただけ。俺だけで、俺の全身で抱いてあげるから、そう怯えるな」 萎えてきちゃったな、と笑う日下部が、項垂れ始めている山岡の中心に手を伸ばした。 「アッ…」 クチュッ、と性器を握りこまれれば、途端に艶めかしく腰をくねらせて、山岡が歓喜の声を上げる。 「クスクス、本当、感じやすい」 「あぁっ、やっ、そんな…」 スッ、と上半身を折り曲げた日下部が、パクリと山岡自身に食いついた。 「あっ、千洋っ、そんなとこ…」 「クスクス、何度しても慣れないな」 クチュリと口内に山岡自身を招き入れた日下部が、ジュルッ、ピチャッとわざと水音を立てて山岡の性器を舐め上げる。 「っ、あっ、ひぁっ…」 ビクビクと、身体を跳ねさせながらも、山岡の目は快楽にトロンと蕩け始めた。

ともだちにシェアしよう!