306 / 426
第306話※
「っあ~~!」
ズブリと一気に奥まで刺し貫かれ、山岡がヒクンッと喉を晒して身を震わせた。
「くっ…締め過ぎ」
きゅぅっ、と日下部に食らいつく内壁に、日下部の眉がくしゃりと寄る。
「ひっ、あっ、ちひろ。ちひろっ」
「ッ、あぁ、イイ…」
すぐにすんなりと日下部の形に馴染んだ山岡の内側に、日下部がうっとりと目を細めた。
「動くぞ」
「っあぁ、はぃ、はぃ」
早く、と、山岡が腰を揺らしておねだりする。
「くっ、おまえ、どこでそんな」
艶めかしい山岡の痴態にクラクラとなりながら、日下部がズルズルーッと、ゆっくり腰を引いた。
「あっ、あっ、いいっ。千洋。千洋っ」
縋るように、愛おしむように、山岡が日下部の名を呼ぶ。
いつの間にか両足から離れた手が、日下部の身体を求めてふらりと伸ばされる。
「泰佳っ…」
ズンズンと、ナカの粘膜を力強く擦り上げながら、日下部は山岡の身体を抱き締め、その唇にキスをした。
「んっ、んんっ、あふぁっ…」
「ふふ、可愛い」
ぬるりと侵入してきた日下部の舌に、必死で応える山岡の姿が日下部にはたまらない。
トロンとすっかり蕩けた目は、快楽だけを映していて、もっともっとと貪欲に、日下部の熱に絡みついてくる。
「食いつくされそうだよ、泰佳」
「んぁ?なに?なに?わかんなっ…」
ぼんやりと熱に浮かされ、ズブズブと突き上げられる律動に合わせてただ山岡は腰を振る。
パンパンと肌と肌がぶつかり合う音が響き、グチュグチュと上がる水音が耳を侵した。
「あっ、あっ、千洋。またイク。もっ、イく、出ちゃうっ…」
「ふっ、はっ、いいよ。我慢しないで、イキたければイって」
ズプンッ、と奥を穿ち、ズルズルと腰を引きながら山岡のいいところを擦り上げた日下部の切っ先に、山岡の身体がビクビクッと絶頂に震えた。
「あぁぁぁっ、あぁぁぁんっ!」
ドピュッと山岡の中心から白濁が飛び散る。
パタパタと自分の腹を汚したそれを、ぼんやりと山岡は認識した。
「くっ、すごい、な…」
「あっ、やっ、イッてる。イッてるのにっ…」
ヒクヒクと痙攣する孔をズンズンと容赦なく突かれ、山岡が半泣きになって叫んだ。
「千洋ーっ!」
「くっ、泰佳…っ」
イく、と掠れた日下部の声が聞こえた。
すぐ後に、ドクッと脈打った日下部の熱を、山岡は体内で感じる。
「ふっ、あぁぁぁ」
「んっ、はっ…」
ズルッ、と山岡のナカから性器を抜いた日下部が、たぷんとしたゴムを外してくるりと縛る。
「あ、あぁ、千洋…」
へにゃり、と顔を緩めた山岡が、幸せそうにベッドに身を沈めていく目の前で、にっこりと日下部の口元が弧を描いた。
「まだまだ」
「え…?」
「さて、2ラウンド目だ」
にこっと微笑んで、新たなゴムのパッケージを取り出し、妖しくそれを口にくわえる。
「千洋ッ?!」
「今度はバックかな」
クスクスと笑った日下部に、グルンと身体をうつ伏せに返されて、山岡の顔からサァッと血の気が引いた。
「え、まさか…」
「クスクス、言っただろう?」
「っ…」
「クタクタになって、思考の1つも残らないくらい、全力で可愛がって、愛して、俺で満たしてやる、って、な?」
「っ~~!」
寝室に運ばれる前に聞いた言葉と、寸分違わぬ台詞をなぞった日下部に、山岡の身体がギクリと強張る。
「ほら、腰を上げて」
「っぁん…ちょっ、千洋っ…」
「クスクス、すっかり解れているから、このまま挿入るかな」
四つん這いにして、腰を支えてお尻を持ち上げた山岡の蕾に、再び角度を増した性器を日下部がピタリと添える。
「っ、ちょっ、待っ、千洋っ…」
「ふふ、待ったなし。大丈夫、まだまだいけるよ」
ほら、と股の間から手を添えられた山岡の性器は、言葉とは裏腹に、新たな期待にピクンと勃ち上がり、タラタラと先走りの雫を垂らしていた。
「泰佳」
「っ…あ!」
「愛しているよ」
ズプンッ。
一瞬の隙をついて、日下部の欲が、またも山岡の後孔に飲み込まれていった。
ともだちにシェアしよう!