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土曜、夜。渋谷のホテルに向かっていた。
信号待ちをしながら、アプリを開く。
[部屋に入りました。402号室です]
[19:30には着くから、それまでに準備済ませててね。すぐしたいから。オモチャ買った?]
[はい、持って来てます]
[えらいね。ホテルの前に着いたらメッセージ送るから、ドア開くようにしてて。それで、裸で四つん這いで、お尻にオモチャ挿して待っててね。分かった?]
[はい。待ってます]
ここまでが、1時間前にやりとりしたもの。
そして、メッセージを送る。
[もうすぐ着くよ。お尻、ドア側に向けててね。すぐ気持ちよくしてあげるから]
エレベーターに乗り、足早に指定された部屋へ。
上司相手に勃つかは分からないけれど、まあ無理なら無理で、いじめてあげるだけだ。
部屋番号を確認し、ドアロックを挟んで隙間が開いた部屋に、そっと入る。
ヴヴヴヴという振動音と、荒い息遣い。
「……っ、……」
「たく、来たよ。まだこっち向かないでね」
「……ぁ、」
間違いない、声が、浜部だ。
もちろん、こんな甘ったるい声は聞いたことがないけれど。
一瞬で勃った俺は、もどかしくベルトを外し下着ごとズボンを放り投げ、ベッドの上に四つん這いになる浜部の後ろについた。
「はじめまして、たくくん。がまんしてた?」
声をかけつつ、バイブの根元を持って、ぐっと中へ押し込む。
「……ぁあッ」
「ん、先走りいっぱい出てる。可愛い」
後ろから覆いかぶさるようにしてペニスをやわやわと触る。
浜部は、小さく喘ぎながら、シーツを握りしめた。
「ひとりでオモチャ突っ込んで興奮して、調教されるの期待して待ってたんだよね?」
「んぁ、……はい、期待してました、」
「ちゃんとみっともないメスしてあげるよ」
バイブをじゅぼじゅぼと出し挿れすると、浜部は大仰に喘いだ。
「ほら、分かる? たくの可愛い姿見て、こんな風になってる」
固くなった股間を押し付ける。浜部は悶えるように身をよじった。
「欲しい?」
「ん、……欲しいです。ください」
「もうちょっと可愛くおねだりして?」
「ぁ、あ……っ、ケイさんのオチンポ、ください……」
コンドームは……やめた。中で出してやろう。
バイブを一気に引き抜くと、浜部は、「ひあっ」と高い声を上げた。
「挿れるよ?」
バックで挿入する。
ずぶずぶと飲み込まれる感じで、これは相当遊んでるか、そうでなければ、ひとりで開発したか。
どちらにせよ、どエロい。
「ぁ、……あ、太い、ん……ッ」
「あーすごい。エッチな体だね。セックス好き?」
「ん、はぁ、するの初めて……」
「初めてなの? でも、中すごくやわらかいよ?」
「毎日、……オモチャでしてます」
「変態さんだね」
「ッ、ごめんなさい」
罵った瞬間に、ぐっと中が締まる。
やはりMっ気があるか。
口の中に手を突っ込んで、腰を振る。
「んぁ、ぁあ、はあ……ッ」
「誰かも分かんない人間に犯されて感じてるなんて、変態だよ」
「ぁあ、ぁっ、……あ」
口に突っ込んだままの指に、舌を絡めてくる。
背をそらして体を差し出してくる感じが、たまらない。
「こんなに淫乱だなんて、誰にも言えないね。『浜部さん』」
「……!?」
振り向こうとする顔を、指の力で無理やり押さえつける。
むせる浜部の耳元でささやいた。
「だーれだ?」
ケホケホと空咳を繰り返しながら、逃れようとする。
「や、やぇて……、ぁあ」
「誰か分かった?」
「……や、ぁ、」
指を引き抜くと、涙目の浜部が、トロ顔のまま力なくにらんだ。
「坂本……」
「正解。調教希望でしょ? 全部忘れて、気持ちよくなってね」
そう言って、髪を引っ張る。
めちゃくちゃに奥を突いたら、すぐに嬌声を上げはじめた。
「ぁあッ、んっ、はあ……っ、ダメ、ぁあっ」
「生意気言わないの」
「ん、ンッ……はぁ」
「どこに何咥えこんでんの?」
浜部は答えない。俺は、耳を噛んだ。
「んぁっ」
「教えてくれないとやめちゃうよ? して欲しいならちゃんと言って?」
「…………お尻の中、ちんぽ、ぁっ、入ってます」
「どんな気分?」
「……ぁあ、んっ、気持ちいい、ぁ、興奮します、んッ」
「ド変態だね。部下にチンポ挿れられて興奮してんだ?」
会話不能。前立腺を突いてやったら、絶叫した。
「初めてのセックスで部下に犯されて、チンコガチガチだけど」
「ぁあ、ぁッ、ん……、ぁあ……、気持ちいい」
「浜部さん、いま俺と何してんの?」
「セックス、部下とセックスしてます……ッ、太いチンポ、生で挿れてもらって……、あぁッ」
唐突に抜いたら、そのまま倒れ込んだ。
そして、物欲しそうな顔でこちらを見上げる。
「やめる? 続きする? 選んでいいよ」
「……続き、してください」
「お願いの仕方があんでしょ?」
「はぁ、は、エッチな体、調教してください」
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