46 / 72

3★

 今年はなかなかの酷暑だ。  毎日、『例年に比べて厳しい』と、ニュースは繰り返している。  汗だくでコンビニから帰ってくると、たくまは家の玄関ポーチにこそっと隠れて立っていた。 「そんなとこで何してんだ?」 「い、いや。ぽつんと待ってたら怪しまれるかな、とか」 「いまさら誰も何も言わねえよ」  と口では軽く言ってみるものの、正直俺だって緊張してる。 「シャワー浴びるだろ?」 「うん。できればりっくんと一緒に入りたいな」 「背中流してやるよ」  いままでは、こいつと風呂に入るのは、拷問の時間だった。  絶対に勃つわけにはいかず、しかし細い体に薄ピンクの乳首が最高にエロくて、直視すれば一巻の終わり。  なのに、たくまの距離感は普段と変わらず。  まあ、たくまの方にも好意があったのだとしたら、もしかしたらあれは、わざとだったのかも知れないけど。  さっさと服を脱ぎ浴室に入ってお湯を出すと、後ろからおずおずとたくまがやってきた。  恥ずかしそうに、胸の前で手を合わせて、前を隠すようにしている。 「見して」  手首を掴んでぐっと開かせると、小ぶりの乳首が目の前に暴かれた。 「……ゃ、はずかし」 「舐めたい」  ちゅっと吸うと、たくまは息を詰めて身を固くした。  かまわず、何度も吸い付く。 「ん、ん……」 「これ、感じる?」  こくっとうなずく。  ひとりでするときに、俺のことを想像しながら触っていたらしい。 「想像と違う?」 「うん。……想像より、……ふぁ」 「もっと」 「ゃ、んっ、汗流してからがいい」  抱き寄せ、体を密着させながら、シャワーにあたる。  しっとりと火照る体がエロくて、早く触りたい。  俺はお湯を止め、ボディソープで丹念に全身を洗った。  呼吸を乱しながら、必死にこらえて愛撫を受け止めるたくまは、普段の無邪気な雰囲気からはおよそ想像がつかない、妖艶さだ。 「はぁ、……んっ、ん、はぁ」  そして股間に手を伸ばすと、たくまは軽く悲鳴を上げた。 「ぁ、だめ……ダメになっちゃうからぁ」 「自分で洗うか?」  こくこくとうなずくので、手は離してやって、自分も洗うことにする。  そして、自分も半分くらいは勃ち上がっていることに気付いて、苦笑した。  シャワーから上がり、丁寧に全身を拭く。 「そんな丁寧に拭かなくていいよ」 「いや、ゴシゴシやって、たくまの肌傷つけたくならないし」  至極まじめに言ったが、たくまは、ちょっと恥ずかしそうにするだけだった。

ともだちにシェアしよう!