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既に、30分は経った。
衣服を全てはぎとられ、ベッドの上に仰向けに寝かされた僕は、指で中を探られ続けている。
無抵抗、駒形のなすがままだ。
「はぁ、あ……、んっ」
「気持ちいいんだよね」
「ん、ぅ……っ」
「でもダメだよ。『して』って自分で言わないと、してあげない」
理性との闘い、だが、ほぼ負けも同然だ。
あとは自分がプライドを投げ捨てるかどうかというところ。
駒沢は、妖しい手つきで内ももを撫でた。
立ち上がった陰茎のすぐそばを何度も往復する。
「ぁあっ、も……、んッ、むり……っ、して、」
「よく言えました」
ついに言ってしまった。
と、思う間もなく、陰茎を握られる。
「あっ、ぁ、ぁんっ、……きもちぃ」
「慶久さん、気持ちよくなると、こんな可愛い声出しちゃうんだ。仕事中は氷みたいなのにね」
「ん、言うな……ぁっ」
ゆるく握り、トントンとリズムをつけて上下する。
中からは前立腺を触られていて、挟み撃ちにされている気分だ。
たまらず嬌声を上げた。
30分以上焦らされ続けていたので、すぐにでも達してしまいそうだった。
「や、イク、ん……ッ」
「ダメだよ。さすがに早すぎ」
「イッちゃうっ、はあっ、あんッ、んぁッ」
「うーん。まあ、何回かイッてもらえばいいか。はい」
スピードをつけて擦られる。
「あっ、ああッ、……イクッ、イ、ぁあああ……!ッ……!…………っぁあ!……ッ」
あごを跳ね上げ、のけ反りながら激しく射精した。
駒沢はうれしそうにはしゃぐ。
「慶久さん、イキ顔めちゃくちゃ可愛い。綺麗な顔がぎゅーって歪むのが、最高」
「は……、はぁ……、んぅ、あつい……」
「もっとしたい?」
「したい」
1回達したくらいでは、吐き出しきれない熱量になっていた。
体の奥でくすぶったものが、上司の威厳のようなものを、根こそぎ取り崩していく。
「はぁ、ナカ、欲し……っ」
「名前呼んでよ」
「りょうや」
「ふふ、可愛すぎ」
駒沢は、服を脱ぎ捨てた。
顔に似合わず、鍛えられた腹筋。欲を誘う肉体に興奮が増す。
「勃たせて?」
愉快そうに言い、ベッドの縁に腰掛ける。
僕は床にぺたっと座って、駒沢のものを口に含んだ。
「……ねえ、店長。すっごいエッチ」
「っ、店長って呼ばないで」
「ごめんごめん。いまはふたりで業務外のセックスだもんね、慶久」
子犬だなんて、とんでもない。
落ちた死骸を喰う、ハイエナだ。
「あー……気持ちいい。フェラ、上手だね。エッチ好きなんだ?」
こくりとうなずくと、駒沢はコンドームを渡してきた。
ひざまずいてはめると、いよいよ立場が逆転するのを自覚した。
駒沢は、僕の頭をそっとなでた。
「気持ちよくしてあげるよ。さあ、おいで。たくさん抱いてあげる」
ベッドに上がり、四つん這いになると、すぐに挿入された。
ずぷずぷと奥まで届いたと思ったら、すぐさま的確に刺激され、たまらず身悶える。
「あっ、あんッ……ん、はぁっ、あっ」
「可愛い。どこ突いてもいい声で鳴いてくれる」
「は、……良弥、ぁ」
「おねだりも上手だね。少し乱暴にしてもいい?」
声も出せずにこくこくとうなずくと、駒形は腰を両手で固定して、打ち付けるみたいにガクガクと腰を振ってきた。
そう、ちょうど、発情期の犬のような。
「あぁ……っ、すごい、良弥、はぁっ、あんっ」
「あー、慶久。気持ちいい。こんな美人さんが、エッチな体して、可愛い声で鳴いてて、いい眺め。ねえ、俺とセックスするの、気持ちいい?」
「ん、きもちいい……」
「素直で可愛いよ」
「めちゃくちゃにして」
「……っ、たまんないな、これ」
駒形は、腰を振りながら僕の上半身に抱きつくと、乳首をくにくにとこねはじめた。
「や、ん……っ、それやだぁ」
「なんで? ちゃんと口で説明して?」
「んぅ……、乳首じゃなくて、……ちんこ触って欲し、んっ」
駒形は、ふふっと笑った。
「そうじゃないかなって思ってた。だって慶久はすっごくエッチで、セックスが大好きで、いっぱいイッて精子出したいんだもんね? 中突きながらちんこ擦って欲しいんでしょ?」
「はぁっ、良弥の手でイカせて欲しくて……っ」
「中は? どうされたい?」
「犯されたい」
「やば。普段のあれ、クールぶってるだけ?」
ぎゅっと目をつぶり、何も答えずに、ぶんぶんと首を横に振る。
欲と快楽に負けていく感じがしていて、普段のことなど考える余地もなかった。
「ちゃんとおねだりできたら、望み通りにしてあげるよ」
「……僕のお腹の中、良弥のちんこでめちゃくちゃにしてください。奥いっぱい突いて、気持ちいいところ当てて、ちんこも壊れるくらいしごいて欲しい。良弥に乱暴に犯されながらイキたいです」
「分かった。じゃあ、仕事中もエッチなことばっかり考えちゃうくらい、セックス大好きにしてあげるね」
挿入しっぱなしだった陰茎を一度ぬぅっと引いた……と思ったら、打ち付けるように奥に叩き込まれた。
髪を掴まれ、動きを制限されたまま、めちゃくちゃに突かれる。
「あぁッ」
「ほら、いっぱい言って? セックス大好き、犯されるの気持ちいいって」
「んぁあッ、りょうや、ぁあっきもち、犯されて、っ、気持ちいい……ッ」
「どこ?」
「お腹の中と、ちんこ」
「うん。ちんこぬるぬるだもんね」
僕も自然と腰が揺れて、駒形の素早い腰使いを迎えるようにしながら、甘ったるい声を上げる。
「あんっ、あぁ……っ、気持ちいい、良弥とセックス、ぁっ、あ、」
「俺とセックスが、なに?」
「はぁっ、はあ、良弥とセックスして気持ちよくて、も、……もぅ、ぁあッ、セックス大好き」
がぶっと肩口を噛まれ、我を忘れて大声を上げる。
「こんなエッチな体、毎日セックスしないと生きていけないんじゃない? 普通のセックスで我慢できる?」
「ぁ……あぁ、もっと酷くして」
駒形は、強すぎるくらい激しくちんこを擦った。
「あッ、出る、で、ゃだ……ッぁあ、……!」
ブシャッと盛大に潮を噴いた。
良弥は嬉しそうに言葉攻めをしながら、なおも中を突きまくり、出したばかりで敏感な陰茎をしごきつづける。
「ああっ、ちんちんおかしくなるッ、んぁあ」
「無理やりされたかったんでしょ? 辛いくらい気持ちよくなんなきゃ」
「あ、ぁッ、イク、イク……っ」
「いいよ。ほら」
「ぁあああッ!……ぁあっ!……んぁっ、イッてる……っ!……きもちぃ、っぁあッ、」
ドロドロに何度も射精しながら、叫ぶ。
「あぁっ、セックス気持ちいいっ、」
「ドスケベ。上品ぶった顔して、ほんとはいつも男漁りして、エロいことばっか考えてんでしょ?」
「はぁ、は……、もう男探さないから、良弥、して……っ、良弥とセックスが一番気持ちいい」
駒沢は、満足そうに笑ったあと、本気でイカせるように激しく腰を振った。
「ほら、お尻とちんこは犯してあげるから、乳首は自分で、両手でつまんで、いじめながらつまんでごらん?」
親指と人差し指でつまみ、くりくりしながら、駒沢の与える刺激に神経を集中する。
嬌声と、乳首をいじめる手がとまらない。
充血し、立ち上がった粒をぐにぐにと潰しながら、ぐちゃぐちゃの下半身のことを思う。
また興奮が迫り上がってきた。
「は、ダメ、イク、またイッちゃう……っ」
「いいよ。一番気持ちよくなってね」
「ぁああっ、イクッ!……んぁああっ!……!……ッ…………!」
びくびくと痙攣しながら、駒沢が中でドクドクと脈打つのが分かった。
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