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第4話

「しょうがないな、蜜は」 ほらね? 「学校でつけるのダメとか言うなら、学校でつけてもいいの贈ればいいのに」 「こら百。俺たちは先に行きますね」 ズバッと斬り込む百をたしなめた千歳は、百の腕を取ってさっさか歩いて行く。 百…正直すぎるよ。俺も、学校ではダメって言われると思ってなかったけど。 そもそも校則緩いし、学業の邪魔にならなければある程度のアクセサリーとかはオッケーだし。付き合ってる人たちは、お揃いのものを着けていたりする。 だから、学校ではダメ、は香月さんの価値観と言うか。 「これ模様 綺麗ですよね~」 にこりと微笑んで話しかければ、香月さんの表情は柔らかくなる。 「指輪嬉しい」 「喜んでくれてよかった」 「だって香月さんが選んでくれたんでしょう?」 腕を絡めて見上げれば、ほんのり頬を染める香月さん。 「繊細な模様は蜜に似合うと思って」 「ふふ。似合いますか?」 「もちろん」 「ねぇ香月さん。どうして黒を選んでくれたんですか?」 これって、千歳が言ったように『俺の』っていう印なんだろうか。でも、そうだとしたら、学校ではダメって言われる意味が分からない。 そういう主張は校内でしてこそ意味があると言うか。 「蜜は肌が白いから、目立つと思って…」 「目立つ?」 「その…俺が贈った物だとすぐに分かるだろ。学校の中では俺たちが付き合ってるのは知られているけど、外に出るとそうじゃなくて…。毎回、蜜は色んな人に口説かれてるから…昨日も…。指輪した蜜の隣に俺がいれば…何だ、その、分かるだろ」 この人可愛い…。 「…それって…独占欲…?」 「っど、!?」 「違うの…?」 「いや、その…ど、独占欲、かも…な…」 照れる香月さん可愛い!! 独占欲 可愛い!! もー! 俺は香月さんのなのにっ!! 「…そんな不安、心配ないのに」 「えっ」 「俺、香月さんしか見てないもん…。伝わってない…?」 「いやっ、そんなことは…っ」 「俺、香月さんが好き…。いつも言ってるのに、足りない…?」 「った、たり、てるっ」 「ほんとぉ?」 頬を染めて、何度も頷く香月さん。 そーだよね!! 俺がこれだけしおらしく可愛い子ぶってるんだから足りないわけないよね!! って思う辺りが可愛くないけど。まぁ、それはそれ。

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