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第22話
こういう反応!!
こういう反応を待ってたの!!
「女王様のご機嫌回復してない?」
「そりゃああれだけ可愛さに感動してもらえたらご機嫌にもなるだろう。茅ヶ崎だってなるだろ?」
「なるね。なるなる。なりすぎるほどなる」
なるよ。絶対なる。
俺が満足していると、目の前の彼は頬をぱたぱた扇いで顔の熱を冷ましていた。
すごい満たされた。ありがとう。
名前も聞かなかったけど、封筒を抱えた彼は「それじゃあ」と、自分のクラスへ戻っていったみたいだった。
「ご機嫌だな」
千歳が俺の髪に指を通しながらそう言う。
「うん、めちゃめちゃ気分いい~」
「じゃあやっぱ先輩いなくていいよなー?」
「こら、百」
「藤くんが先輩と女王様別れされようとしてる…」
「そもそも藤棚は何で笹山先輩が嫌いなんだ?」
委員長が聞く。
「女王様の機嫌をとらないから、だと勝手に思ってたけど…他に理由が?」
何となく委員長たちの方を見ると、クラスのみんなが百に注目してるのが目に入ってしまった。
みんな興味あるんだね。
「何でって聞かれてもなぁ。相手に求めることばっかりで、自分は何もしてないじゃん。威嚇は一人前にするくせに、自分に都合のいい見方しかしようとしないし相手をちゃんと理解する気がない」
ピシャッ! と音がしそうなくらい思い切りよく断じた百。
「何より、蜜の機嫌取るどころか自分が機嫌とられる側だと勘違いしてんじゃねーか? あの人」
「藤棚と須賀谷以上に上手に女王様のご機嫌とれるやつなんていないよな」
「僕もそう思う~」
「自分のだ、って威嚇すんならそれくらいやって当然なんだよ。上手い下手とかは関係ねぇ」
「でもまぁ、藤くんの言い分は分かるよねぇ~。亭主関白気取ってる感じはするし~? んで、『俺の蜜!』って思ってる感じがむんむんする!」
するんだ。むんむんするんだ。
「相瀬、じゃなくて、女王様はそれを聞いてどう思うんだ?」
「今何で言い直したの? 相瀬でいいじゃん」
別に、女王様って呼ばなきゃいけないルールはないよ?
「何となく女王様かな、って」
「普通でいいよ。俺は…んー…まぁ、恋は盲目って言うし、香月さんの好きなとこしか見てないのは自覚済みなんだよねぇ」
「つまり嫌な面から目を逸らして来た、と?」
「うん」
「嫌な面って認めちゃったね、女王様」
「茅ヶ崎黙って」
「俺にだけ塩~」
「茅ヶ崎だけ特別なの。嬉しいでしょ?」
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