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第35話

その前にバラ風呂だけど! 寮のお風呂っていうのがちょっと残念ではあるけど、大輪のバラを浮かべてキャンドルライトを灯すと雰囲気は出る。 それに何より。 「はぁ~…気持ちいい~…」 リラックス効果抜群。 バラの香りってストレス解消にも効くんだよねぇ。 手にバラを掬って鼻を寄せる。 百がローズウォーターまで用意してくれてたから、めちゃめちゃいい香り。 ずっとここにいたい…。 「あ~アイス食べた~い」 バラ風呂でアイス最高だと思う。 お風呂から出たらアイス買いにいこうかなぁ。 いや、俺には月餅が待っていた。 でもまぁ、贅沢してるよなぁ。百のおかげで。恋人にもこういうサービスしてあげちゃうんだろうから…付き合える人は幸せだね。 お風呂から出ても体からいい匂いがしてるってすごくいい。 るんるんでお風呂から上がってきた俺の髪を千歳が乾かしてくれている間に、百はバラを掬いに行った。 いわく、千歳がバラ風呂入ってたら気持ち悪いそうで。 それはお互い様だろ、って千歳に言われてた。 でも俺ローズウォーター入れちゃったからな。匂いはするよ? バラ風呂のバラはまだ使えるみたいだから、明日自分の部屋でもやってみよう。 「はぁ~今日めちゃくちゃ最高~」 「機嫌は直ったな」 俺の髪をとかしている千歳の声も、何だか機嫌が良さそうだよ。 「千歳、風呂先入るだろ? タオル出しといたから」 「悪いな。俺は部屋に戻って入ってきてもいいんだけど…」 「今から戻ってまたここ来るの面倒じゃん。蜜の髪乾いたならクリームとネイルオイル塗るし、その間いーよ」 「じゃあ遠慮なく」 百の手には、化粧水とコットンとクリームとネイルオイル。 百の部屋来ると顔のマッサージとかしてくれるんだよね。 「蜜はソファーな」 「はーいっ」 いい子のお返事でソファーに転がる。 おでこを全開にされて、ひたひたのコットンが肌を優しく滑っていく。 じんわり染み渡ってく感じが好き。 コットンパックをしている間に、今度は手脚のマッサージ。これは痛いけど効く。 「あだだだだ! 百そこ痛い!」 「凝ってんなー」 マッサージされて色っぽい声なんか出ないからね? 出そうと思っても出ない。 マッサージの後はネイルオイルを塗ってもらって、顔もクリームで優しくマッサージ。いやもう、ほんと最高。 「はぁ~…気持ちいい…。もうダメ人間になりそう…」

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