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Dark red mood

「女王様 今日肌ツヤ超いい~! あと何かいい匂いするぅ~!」 うん。さすが茅ヶ崎。 「エッチしたの?」 前言撤回。このやろう。 「千歳、これ不快」 「これ呼ばわりされたぁ~!」 「今のは茅ヶ崎が悪い」 「あぁんっ、須賀谷くんのドSな目がたまんないぃ~」 「…気持ち悪いな」 「ねえちょっと! 今のガチだった! ガチだったよね!?」 朝から茅ヶ崎に遭遇して、賑やかな登校。 肌ツヤがいいのもいい匂いがするのも昨日のバラ風呂だよ、まったく。あ、肌ツヤがいいのは百のマッサージのおかげでもあるか。 「大体さぁ、すぐエッチって発想どうかしてない?」 「えぇ~? だってぇ~、3人とも同じ匂いしたからぁ~」 「あぁ、昨日バラ風呂入ったからな。まぁ、俺らは正確には香りだけだけど」 「えっ、何それ超優雅ぁ!! っていうか女王様バラ風呂似合いすぎない!? バラ浮かべたのぉ!?」 「浮かべたの。ちょ~いい匂いだしリラックスするし最高だった~!」 「めっちゃ可愛い笑顔」 「俺が可愛いのは当然」 今日もバラ風呂~。 「昨日そんな優雅なことしてたんだねぇ~」 「最高。ほんと最高だった」 「うん。表情見れば分かるよぉ~」 「朝もローズウォーター飲んできた」 「そんな優雅なことさせてくれるの誰ぇ~?」 「社長子息がいるからな」 「藤くんかぁ~。藤くんそれふつーの彼氏はしてあげられないからぁ、めちゃめちゃ彼氏のハードル上げてない~?」 「飛び越える気概のないやつなんか最初から無理じゃね?」 「なるほどぉ~。できなくても気概を見せろと」 「そーゆうこと」 彼氏かぁ。彼氏ね。 実は朝も香月さんから連絡入ってたんだよね。 何気なくLINE開いたら、10件くらい通知溜まってた。見てはないけど。 どうしよっかなぁ。 でもなー、『お前』はほんとに嫌だから別れたいよなぁ。あー昨日はまだ好きとか言ってた俺。 「ね~ぇ、女王様ぁ~」 「なに」 あー何かもう、女王様って呼ばれて普通に返事しちゃう俺。 「あそこにいるの、笹山先輩じゃなぁ~い?」 「げっ」 思わず出てしまった。 「昨日まで好きとか言ってたのにぃ~、げっ、とかかわいそぉ~」 「顔笑ってんぞ茅ヶ崎」 「あっ、いけなぁい」 寮の門の所には、腕組みした香月さんの姿。 「何かあの人怒ってない? せっかくいい気分だったのに最悪なんだけど」 「先輩が女王様の地雷踏み抜いてるぅ」

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