37 / 240
Dark red mood
「女王様 今日肌ツヤ超いい~! あと何かいい匂いするぅ~!」
うん。さすが茅ヶ崎。
「エッチしたの?」
前言撤回。このやろう。
「千歳、これ不快」
「これ呼ばわりされたぁ~!」
「今のは茅ヶ崎が悪い」
「あぁんっ、須賀谷くんのドSな目がたまんないぃ~」
「…気持ち悪いな」
「ねえちょっと! 今のガチだった! ガチだったよね!?」
朝から茅ヶ崎に遭遇して、賑やかな登校。
肌ツヤがいいのもいい匂いがするのも昨日のバラ風呂だよ、まったく。あ、肌ツヤがいいのは百のマッサージのおかげでもあるか。
「大体さぁ、すぐエッチって発想どうかしてない?」
「えぇ~? だってぇ~、3人とも同じ匂いしたからぁ~」
「あぁ、昨日バラ風呂入ったからな。まぁ、俺らは正確には香りだけだけど」
「えっ、何それ超優雅ぁ!! っていうか女王様バラ風呂似合いすぎない!? バラ浮かべたのぉ!?」
「浮かべたの。ちょ~いい匂いだしリラックスするし最高だった~!」
「めっちゃ可愛い笑顔」
「俺が可愛いのは当然」
今日もバラ風呂~。
「昨日そんな優雅なことしてたんだねぇ~」
「最高。ほんと最高だった」
「うん。表情見れば分かるよぉ~」
「朝もローズウォーター飲んできた」
「そんな優雅なことさせてくれるの誰ぇ~?」
「社長子息がいるからな」
「藤くんかぁ~。藤くんそれふつーの彼氏はしてあげられないからぁ、めちゃめちゃ彼氏のハードル上げてない~?」
「飛び越える気概のないやつなんか最初から無理じゃね?」
「なるほどぉ~。できなくても気概を見せろと」
「そーゆうこと」
彼氏かぁ。彼氏ね。
実は朝も香月さんから連絡入ってたんだよね。
何気なくLINE開いたら、10件くらい通知溜まってた。見てはないけど。
どうしよっかなぁ。
でもなー、『お前』はほんとに嫌だから別れたいよなぁ。あー昨日はまだ好きとか言ってた俺。
「ね~ぇ、女王様ぁ~」
「なに」
あー何かもう、女王様って呼ばれて普通に返事しちゃう俺。
「あそこにいるの、笹山先輩じゃなぁ~い?」
「げっ」
思わず出てしまった。
「昨日まで好きとか言ってたのにぃ~、げっ、とかかわいそぉ~」
「顔笑ってんぞ茅ヶ崎」
「あっ、いけなぁい」
寮の門の所には、腕組みした香月さんの姿。
「何かあの人怒ってない? せっかくいい気分だったのに最悪なんだけど」
「先輩が女王様の地雷踏み抜いてるぅ」
ともだちにシェアしよう!