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第47話

放課後あんまり残ってると危ないよ、って先生たちに何度も言われてるから授業終わったらさっさと帰るようにしてるけど、そういえば茅ヶ崎はたま~に残ったりしてる。 そういう時にしてるのかな。 なんて考えていたら予鈴が鳴って、みんなぱたぱたと席につく。 俺も教科書とノートを出して、授業の準備をした。 昨日と違って、今日は午前中ちゃんと授業を聞けた俺。えらい。 集中するとお腹すくよねー。今日のお昼は何にしようかなー。 って、朝の出来事で忘れてた。パウンドケーキ焼いてきたんだった。 「ねー、手作り苦手な人いる?」 何気なくみんなに問いかけると、みんな何のことだろうって顔をしながら首を振った。 ハンバーグとおにぎり以外なら、って人もいたけたど、多分手でこねたり触ったりした物が嫌なのかな? そういえば、確かに学食でハンバーグを食べてる姿を見たことがない…ような気がする。 「じゃあ、はい。ひとつずつ持ってって。昨日のお礼のパウンドケーキ」 態度が全然お礼じゃないのはご愛嬌。 「えっ、女王様が作ったの?」 「当たり前じゃん。これくらいの料理はできる子だから安心して食べていいよ」 「女王様が自ら…!?」 「だからそうだって言ってるじゃん」 ってゆーか何でみんな『女王様』なの? 「いるの? いらないの?」 「「「「「いります!!」」」」」 「大合唱しなくていいから取りに来て」 ごはん食べに行きたいから。 「ではありがたく頂戴致します」 委員長がノリで跪いて受けとるもんだから、なぜかみんな真似して跪いて受けとるっていう変な空間になった。 「須賀谷くんたちはぁ~?」 「俺たちは昨日貰ってるから」 「そうなんだねぇ~」 頷きながら包装を解いてパウンドケーキにかじりつく茅ヶ崎。 いやいや、これからお昼じゃん。 「ちょっと茅ヶ崎」 「女王様これおいしいねぇ~!」 「ありがとう。そうじゃなくてこれからお昼じゃん」 「今日はパスタって決めてるから大丈夫ぅ~」 何が大丈夫? 「俺は今日はA定食に決めている」 「決めてるのは別にいいんだけど、何で委員長までお昼食べる前に食べてるの?」 「あ、そうか。これはデザートに入るか?」 「そうじゃない」 デザートか主食かとか、そういうことじゃない。 え、何これ俺がおかしいの? 「…まぁいつ食べようと個人の自由か」 そんなの俺がどうこう言うことじゃないね。

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