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第50話

そして俺は、学食でオムライスを堪能しようと思ってたんだけど。 「相瀬、笹山と別れたって本当?」 「今度ふたりで出かけない?」 「別れたんなら俺どう?」 「付き合ってる人がいるから、って断られたけど…今フリーならもう1回告白してもいいかな?」 「笹山より大事にするからさ、付き合ってよ」 「今度は俺と付き合ってみない?」 お誘いの量。 「知ってたけど、女王様めちゃめちゃモテるねぇ~」 「…落ち着いてごはん食べれないじゃん」 「っていうかぁ、僕らいてもふつーに告白とかしてきちゃうんだねぇ~、みんな。積極的ぃ~」 感心するとこそこなの? 「ちなみにぃ~、騎士様たちのお眼鏡に適う相手はいたのぉ~?」 千歳と百は、ちらっと顔を見合わせた。 「選ぶのは蜜だからな」 千歳はそれだけ言って、俺の口に切り分けたホタテフライを運ぶ。 今日の日替わり定食は、ミックスフライ定食。 エビフライも好きだけど、ホタテも好き。 「女王様は誰かタイプの人いたぁ~? 僕はねぇ、3番目に声かけてきた人かなぁ~」 「あー、茅ヶ崎好きそう」 分かる分かると頷く俺。 「蜜 何か食いたいのある?」 「あっ、春巻き一口ちょうだ~い」 でもまぁとりあえずはごはんだよね。 「はい、百も一口」 オムライスと春巻きを一口ずつ交換。 「千歳も食べるー?」 「じゃあ一口」 「女王様たちさぁ、お互いあ~んしちゃうんだからほんと仲いいよねぇ~」 「何か変?」 「う~ん、女王様たち見てると僕が変なのかなぁ~って思うよねぇ~」 そう? 「そういうの見ても告白してくるんだから、ある意味みんな強いよねぇ~」 「特別仲良し、くらいにしか思ってないんじゃないの?」 「ほっぺにちゅーするのにぃ~?」 「たまにだもん。見たことある人の方が少ないよ」 この前はクラスのみんながいたけど。 基本は寮の部屋にいる時くらいだし。 「女王様たち、ほっぺじゃなくてもふつーにちゅーしそうだよねぇ~」 「俺と千歳はさすがに無理だな」 「できなくはない」 「変なやる気を見せるな」 千歳と百のキス…ちょっと見てみたい…かも。 男前と美形だよ? 気になるでしょ? 「須賀谷くんとは無理でも、女王様とはできるぅ~?」 「蜜ならできる」 「俺も百と千歳とはできるよ」 「須賀谷くんはぁ~?」 「蜜とはできるし、百ともできなくはないな」 「それはもういい。蜜が微妙に目を輝かせてるからやめろ」 百に見られてた。

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