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第58話

「はいはぁ~い! 僕知ってるよぉ~、その気にさせる方法~」 茅ヶ崎が元気に挙手した。 茅ヶ崎の方法って、『肉体的に』の、その気のさせ方…だよね。多分。 でも一応。 「教えてあげて」 聞こうじゃないか。 「あのねぇ~、まずは人気のない場所に呼び出すでしょお? んで、ネクタイ使って腕の自由奪うでしょお?」 やっぱりそうか。 「おい、雲行きがあやしいぞ」 千歳にも突っ込まれた。 「男も乳首いじられると気持ちよくなるからぁ~、ちゅっちゅって吸って舐めてあげるといいよぉ~」 「え、ちょ、え? なん、え? 何の話?」 「その気のさせ方ぁ!!」 ウィンクすな。 親指立てるな。 「何か違う! 思ってたのと違う!!」 でしょうね。 「吸う時はちゃんと下もさすってあげてねぇ~」 「そうじゃない! そういうこと聞きたいんじゃない!!」 「人によっては竿じゃなくてぇ~、」 「茅ヶ崎、ストップだ」 「はぁ~い」 千歳ストップ入りましたー。 竿じゃなくて何だろう。途中で切れると気になる。 千歳がいるから聞かないけど。 「何か…何か違う! そういうエッチな話じゃなくて…」 「女王様が見てる前でやってあげたらいい反応すると思うなぁ~」 ちょっと今度やってみてよ、なんて言おうもんなら今日の放課後にでも披露されそうだからな。黙っとこ。 「そうじゃなくて! テクニックみたいな…!」 「まーある意味テクニックだよね」 「テクニックだよぉ~」 「エッチじゃないテクニック! そっちが知りたいんだよ!」 って言われてもねぇ。 「口ごたえしないで従順で可愛くしてればいいんじゃない? そーゆうのがタイプだよ、あの人は」 吐き捨てるみたいな言い方になっちゃった。 「今の世の中、そんなのいないっつーの。パートナーにそういうの求めるからDVとかになるんじゃないの?」 「黙って言うこと聞け!ってタイプの人いるもんねぇ~」 「黙って言うこと聞いてほしかったら相手を満足させるだけの財力とか諸々あるべきじゃない? 何の文句もない生活をさせてから初めて言えるんだよ、その台詞は。そうじゃなくてふたりで協力して生活してるんなら、黙って言うこと聞けなんて言う権利 誰にも一生ないから」 おっと、話が逸れたね。 「そもそもさぁ、どこが好きなの?」 「えっ…それを仰るなら、女王様だってどこがお好きでお付き合いを…されていたのでしょうか…?」 完全に敬語だ。

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