でもなぁ…これ続くんならちゃんと話した方がいいのかなぁ…。話したところで、納得してくれるのかな…。 あー…憂鬱…。いや、うん。そもそもは俺が原因というか…だけど。 「中矢先輩とかに相談してみるか？」 「うん…」 その方がいいかなぁ…。 「絶対に諦めない！ってつよぉい気持ちを感じるよねぇ～。ネバーギブアップ精神～」 「それはこういう場面で発揮するべきじゃないな」 そう言いながら、千歳は優しく俺の髪を撫でた。 まぁね、片想いの相手にとかならあれだけど。 別れたがってる相手にネバーギブアップしちゃダメだよ…。 「それにしてもすごい勢いでしたね…」 柳木くんもビックリの勢いだったね。 「いつもあんな感じだよな」 「別れたくなくて必死だからねぇ～」 「だからってあんな怒鳴り込むような勢いで来られたら…逆効果なんじゃ…」 「必死すぎてそこまでは分かってない感じだねぇ～」 「…でも、先輩の気持ちは分からなくもない、かな…」 「う～ん…ま、分からなくはないけどぉ～。でも端から見たらねぇ～」 「あぁ、うん。まぁ…怖いよな」 やっぱ第３者から見ても怖いんだ。俺の感覚は正常だった。良かった。 「ないと思いたいけどさぁ、柳木くん」 「えっ、俺ですか？」 微妙に気になってたんだけど、柳木くんは何で百に敬語なんだろう。 「あの人に何かされたら教えてな」 「えっ！？ 俺何かされるんですか！？」 「一緒にいたの見られたし、逆恨みとか？」 「えっ、怖い！ むしろ相瀬くん、女王様、相瀬くん、大丈夫なんですか！？」 なぜ２種類の呼び方で３回呼んだ？ けど心配してくれてありがと。 「あ、でも藤棚くんたちがいるから大丈夫なのか」 まぁそこはね。絶対の信頼があるから。 「笹山先輩かぁ…。俺きっと一溜りもないな…」 「油断してるとこをねぇ～、ネクタイとかベルト使ってねぇ、腕の自由奪うといいよぉ～」 「？？ 腕の自由…？」 大丈夫、柳木くん。それは参考にならない茅ヶ崎流だから。 「機会があったら実践してるの見せてあげるねぇ～」 「？？ うん？」 柳木くんが見たらトラウマとかにならないんだろうか。そこが心配。 や、俺も人のそういうのは見たことないけど。 「柳木くんって、服買うときはいつもどんなとこ行くの？」 柳木くんを振り返ると、目が合った彼は盛大にあわあわキョロキョロしてカバンを取り落としそうになった。 びっくりしすぎじゃない？