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第65話

「おっ…えっ、俺!?」 「うん。柳木くん」 ぶわりと頬を染めるのを見るのも、何だか新鮮。俺と付き合おうよ、っていう自分に自信のあるタイプしか寄ってこないからかな。 「俺、俺はあんまりその、ものにはそんなにこだわらなくて…なのでいつも、シマムーラとか、行っちゃいます…」 「あ、最近よくいろんなのとコラボしてるよねー。この辺だとどこにあるの?」 俺あんまり地元民じゃないから分かんないんだよね。駅前くらいしか遊びに出ないし。 「えぇっと…二駅先のところに」 「そうなんだ。柳木くんって地元その辺なの?」 「あっ、えっ? はいっ」 「柳木くんテンパりすぎだよぉ~」 「いやっ、だって…!」 「分かるよぉ~、女王様エロ可愛いしドッキドキしちゃうよねぇ~」 「そもそもこれは現実…?」 「そこからぁ?」 まだドッキリか夢だと思ってたのかな。 っていうか茅ヶ崎! エロって言うな! 「そういえば当たり前だけど柳木くんの普段着ってどんな感じか知らない。茅ヶ崎のも知らないな」 「休みの日に一緒に出掛けるとかしたことなかったもんねぇ~」 「んじゃ、今度行くか?」 「あぁ、いいな」 「えぇ!? 俺もですか!?」 百の発案に千歳が頷くと、びっくりしたような声を上げる柳木くん。 びっくりってか、ちょっと動揺してる。 「だめなの…?」 「全っっ然ダメじゃないですっ!!」 おっけー出ましたぁ。 「女王様、今のはずるいよぉ~。柳木くん、YES!!以外の返事、選択肢になかったよぉ~」 「ダメなの?」 「ん~ダメじゃないかぁ~」 柳木くんはこっそり自分の頬っぺた抓ってるから、夢じゃないのを確認しているっぽい。 夢じゃないよ。現実。 「じゃあいつにする? 来週? その次?」 「ってか、蜜はどこ行きたいとかあんの?」 「えーっとね…」 何かあったかなぁ。みんなで遊べるとこがいいよね。 「リアル脱出ゲームとか気になるけど…。あっ、しろくまランド行きたい!」 「あ~、前にテレビでやってたねぇ~。ここからそんな遠くないよねぇ~」 最近できた、ちょっとしたテーマパーク。ネズミの夢の国みたいなドドン!としたのじゃなくて、割とこぢんまりしたテーマパークみたいなんだけど。 キャラクターのしろくまが可愛くて、ずっと気になってたんだ。 「先輩とは行かなかったのぉ~?」 「今その話する?」 「あっ、地雷ぃ~」 ま、行かなかったけど。

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