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第66話

香月さんの中の俺のイメージって、決してアクティブじゃなかったから、いつも静かなところ――映画とか美術館とかに誘ってたなぁ。 テーマパークも、ほんとはちょっと行ってみたかった。カップルでテーマパークって、定番じゃない? カップルじゃなくてもテーマパークは楽しめるけどね。 「柳木くん予定空いてるのいつ?」 「おっ俺はいつでも予定空けますっ!」 「蜜の予定に合わせてくれるって」 柳木くんすごい。 「柳木くんありがと。じゃあ再来週がいいなぁ」 「時間とかはまた詰めればいいか」 「うん。ね、柳木くん、再来週空けといてね」 「もちろんですっ!!」 「…女王様が小悪魔…」 茅ヶ崎、聞こえてるから。 「茅ヶ崎もだよ」 「女王様第一で予定空けるよぉ~」 「えっライバル…?」 柳木くんも聞こえてるよ。 茅ヶ崎をライバル認定しなくても大丈夫。いや、うん…多分。タチになれるとか言われちゃってるけど多分大丈夫。 「せっかくだから他にも誘う? あ、柳木くん友達誘う?」 「あっ、えっ、俺の? ですか?」 「うん。柳木くんの友達。クラス違うし、いきなり遊ぶとか柳木くんが気まずくなければこのままで全然構わないんだけど」 「あ、えっと…じゃあ下心ないやつ誘ってみます」 「それって女王様に対する下心ぉ~?」 「他に何が?」 「真顔ぉ~」 「相瀬くん…女王様が楽しく遊べるのが1番だろうが!!」 「この人本物だぁ」 っていうか、柳木くんまで『女王様』って呼ばなくていいから。大丈夫だから。 さてさて、そんな話をしているうちにモールへ到着。 「千歳 何買うの?」 「軽く羽織れるものを」 「パーカーとかカーディガンとか?」 「そうだな」 「千歳は背が高いからロングカーデも似合うよね」 シックなネイビー? カーキも似合いそう。 「俺この店入るの初めて…」 「あ、ほんとぉ~? 見てほら柳木くん、これかっこよくなぁい~?」 「あ、ほんとだ」 茅ヶ崎と柳木くんがふたりでわちゃわちゃしながらお店の奥へ。 俺も何か見ようかなぁ。 「蜜なんか買う?」 「いいのがあったら、と思ってるんだけど…」 「パンツは大体レディースだよな」 「だってウエスト合わないんだもん」 メンズパンツはウエストも脚もぶかぶかなの。 でもレディースも物によってはお尻ぶかぶかになるからな。 「その細腰を抱きたいと思ってる男が数多いるんだよねぇ~」 「ちょっと茅ヶ崎黙って」 「茅ヶ崎エロ禁止な」 「ちょっ、藤くん…! でもプレイみたいでいい…!」 揺るぎねぇな。

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