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Heavy gray

ごはんまでまだ少し時間ががあるから課題やっちゃおー、って話しながら部屋へ向かう。 そして部屋の前に発見してしまった可哀想な俺。 「先輩いるねぇ~」 こんなとこまで来てほしくなかったわ。 「もういっそすげぇ執念だな」 「ストーカーじゃないのか?」 「ちょっと千歳、不安になること言わないで。ってゆーか寮生じゃないのに入れんの?」 「まぁ、生徒であるのは事実だからな。寮生じゃなくても学生証があればうちの生徒だっていう証明はできるわけだし」 声かけなきゃダメかな…。ダメか。 ってか部屋に入れないのは困る。 着替えとか、全部部屋だし。千歳と百の部屋にちょこっと置いてはあるけど…。 仕方ないから、嫌・めんどくさいを完全に顔に出して声をかける。 「…何してるんですか、ここで。邪魔なんですけど」 あ、余計な一言をつけてしまった。 「っは、話がしたいっ」 「話って何の?」 「その…わ、別れることに、納得できないからだ」 詰め寄りたい勢いを頑張って殺してるのは分かる。けど、それがいつまで保つかな。 「逆に聞きたいんだけど、じゃあ何なら納得できるの? 何て言われたら『分かった』って言えるの? それもないのに話がしたいとか言われても迷惑なんだけど」 「あんな一方的に言われて『分かった』とは言えないだろう。理由くらい教えてくれてもいいんじゃないのか?」 「だからさぁ、何でそっちが怒るの? 理由なんて何度も言ってるじゃん。上から物言う態度とか、思い通りにならないとすぐ大きな声出すとことか、こういうしつこいねちっっこいとことか、そういうのが嫌いだからだよ。『お前』って呼ばれるのもほんとに嫌いなの」 香月さんが、ぐっ…と息を詰めたのが分かった。 「そもそも俺こーゆう感じだし、ただ可愛くて言うこと聞くだけの相手求めてんならもう用なくない?」 女王様は女王様全開だねぇ~、って茅ヶ崎のひそひそ声が聞こえる。 女王様全開ってどういう意味だよ。 「っそんな風に思ったことは1度もないっ!」 「声がうるさい」 「あっ…すまん…」 「待ち伏せとかされるのほんとに嫌なんだけど」 「それは蜜が…っ」 「は? なに、俺のせい? へぇ~」 「話を聞かないからだろうっ」 「威圧的な態度されて聞く価値ある? あるわけないじゃん。だからそういうとこが嫌いってずっと言ってるの分からない? ほんっっと迷惑。帰って」

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