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第76話
「蜜 最近色んな男に火ぃ点けてね?」
「そんなことしてないよ。俺は歩くチャッカマンか」
「うまいこと言うな」
「感心しないで」
嫌だそんな異名。
「女王様は無自覚に着火させてるからねぇ~」
「俺が無自覚なら自分で火消しして」
「無理難題」
何でだよ。水被ればいいじゃん。
「まぁとにかく俺は香月さんとうまくいくこと願ってるから頑張りなよね」
「はぇ? あっ、はいっ」
大丈夫かな、ほんとに。
まぁいいや。
「ごちそうさまでした」
さて、お楽しみのヘッドスパだよ!
「早く戻ろ! ヘッドスパ! チーズケーキ!」
「女王様 一気にテンション上がったねぇ~」
「楽しみ!」
「そういうとこ可愛いんだよねぇ~。自覚あるぅ?」
「可愛い自覚はあるよ? 当たり前じゃん」
「さすが女王様って感じぃ~」
だって可愛いもん。天使のようだとよく言われるもん。性格は全く天使のようではないけど。
「ねー、早く行こっ」
「そうだな。じゃあな、茅ヶ崎。と、芝木さん」
「あっ、えっ、はいっ」
「また明日ねぇ~」
まずは百の部屋に寄って必要なものを持つと、千歳の部屋へ戻る。
「もう風呂沸かしてもいいか?」
「準備すぐ済むし大丈夫」
百の手には、シャンプーボトルと炭酸水のボトル。 あとオイルのボトルとか、空のボトルが置いてある。
「ヘッドスパって家でできるんだね」
「簡単なのだけどな」
「それって覚えたら自分でも出来る?」
「必要なもの揃えれば出来るぞ。炭酸水はなくても大丈夫だし」
「そうなの?」
「汚れ浮かすのはオイルだけでもいいんだけど、炭酸水はあった方が気持ちいいし、血行もよくなるし、ってことで使うだけだから」
「ふぅん」
楽しみ。早くお風呂沸かないかな。
「蜜、風呂入る前にブラッシングな」
「はーい」
って言ってもそれも百がやってくれるから俺は座ってるだけなんだけどね。
「百ってさぁ、自分でもこーゆうのやるの?」
「自分ではやらねーな。あ、でもたまに炭酸水使うことはある」
「頭洗うのに?」
「そうそう。あと顔とか」
「そっかぁ」
俺も炭酸水使おうかなぁ。顔洗うのにいいとは聞くよね。高い洗顔クリームとか使うよりいいかなぁ…。
「そう言えば姉ちゃんがリップバーム送ってきたけど、蜜 使う?」
「いるいるー! 百のお姉さんいつもいい匂いの選んでくれるんだよねー」
「色々あるから好きなの持ってって」
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