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第95話
ごはん食べたら自分の部屋戻って…今日は何しようかな。
久しぶりに映画観よっかな。DVD何があったっけ。
そんなことを考えて、目の前の食事に集中する。
……だって、じゃないと茅ヶ崎と芝木さんの視線が…控え目に言っても鬱陶しい。
「……ほんとに視線 鬱陶しいんだけど。食事の邪魔なんだけど」
あ、我慢できなかった。
「気にしないで食べてていいよぉ~?」
「そうですよ!」
「じゃあ見るのやめてよ」
「「それはちょっと…」」
「何この厚かましいふたり」
「茅ヶ崎、あんまり女王様のご機嫌損ねると半径2メートル以内に近寄れなくするぞ」
「ちょ、須賀谷くんそれはやだぁ~。唇堪能できなくなるしぃ~」
何なの。何でそんな唇なの。これからはもう壁向いて食べる。
俺が不機嫌を隠さないでいたら、百がおもむろにポケットからダブルクリップを出した。
それを見た茅ヶ崎が、さっと視線を外す。
「ごはんた~べよぉ~っ」
「ごはんごはん」
芝木さんも目線をごはんに移す。
乳首挟まれるのは嫌なんだ。ふぅん…なら俺も明日から洗濯ばさみかダブルクリップ持ち歩こう。ついでにわさびもあればいい?
「蜜、これやる」
と思ったら百がダブルクリップくれた。
「ありがと!」
「あ、女王様が武器を手に入れてしまった」
「ついでにメントールあるぞ」
「さらにありがと!」
「パワーアップしたぁ~」
茅ヶ崎の残念そうな声。
これを実際使うつもりはないけど、魔除け代わりにはなってくれそう。
茅ヶ崎ある意味悪魔(小悪魔?)だもんね。
ちゃっちゃと食べてサッと立ち上がる。明日からはちょっと時間ずらすか、端の方で食べるようにしよ。
「女王様もう行っちゃうのぉ~?」
「当たり前でしょ。見られててのんびり食べてられるかっつーの」
俺だってもうちょっとゆっくり食べたかったし。
「じゃあ今度 動画撮らせてぇ~。そしたら生は見ないからぁ」
「生とか言うな。動画も撮らせない」
「変なことには使わないよぉ~?」
「茅ヶ崎の言う『変なこと』って、俺の思う『変なこと』とは違う気がするんだよね」
そんなことないよぉ~。ってけらけら笑ってるけど、こういうことに関しては申し訳ないけど信用してないからね!
遊び方は分からないけど、イチゴで乳首遊ぶ人だよ?
絶対何か…何か想像もしてなかったようなことに使われる。……気がする。
あと、唇に関しては何か対策考える!
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