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第108話

そうなんだ。 どんな風に有名かは聞かないでおこう。 「ってか、いつも3人でいんの?」 「休み時間 俺はふたりと一緒にいたかな?」 「ひとりでした」 「そうだよね」 既に上下関係出来上がってんな、って百が笑いの滲んだ声で言った。もちろんひそっと小さく。 「まぁでも大体は一緒だな。危険だから」 「危険…」 百の言葉を繰り返して、衛宮くんは何かに思い当たったらしい。 「あー…そういうこと」 まぁね。俺ってば天使のように可愛いから。茅ヶ崎みたいに可愛くても握力ゴリラだったらまた話は別だったかもしれないけど、残念ながら(?)俺の握力はゴリラじゃない。 っていうか、茅ヶ崎は自分の置かれた状況 楽しんでるとこもあるよな。 「それはそれとして、柳木くん、気にしてくれてありがとね」 「えっ、そんな…!」 柳木くんはぶんぶん首を振った。そんな柳木くんを、衛宮くんはちょっと呆れたように見ていた。 「今からお菓子買いに行くけど、柳木くんも行く? 柳木くんどんなのが好きなの?」 「行きます! じゃあな、衛宮。俺はじゃがべーが好きです!」 「おいしいよねー。俺も好き」 「一緒ですね!」 「一緒ですね、じゃねーよ! 俺の扱い雑だな!?」 衛宮くんが怒った。 「衛宮は友達だけど、女王様と同等じゃないから…」 「てめぇこら」 柳木くんのそういうとこ好きだな。 「俺も行く」 「え、衛宮 来んの?」 「おいこら、柳木」 2人のやりとりに、百がちょっと笑う。 「絶対失礼のないようにしろよ」 「柳木は相瀬の何なんだ…」 「女王様を愛で隊だよ」 「変な団体作るな!」 「え、普通にありそうな気がする…。どうですか? 藤棚くん」 聞かれた百は、にまって笑っただけだった。 え、意味深…。 「え…マジであるのか…?」 衛宮くんの問いにも、百は笑っただけだった。 思わず千歳に目をやると、千歳も意味ありげに笑う。 …どういうことなの…。 ちょっと過激なファンの存在は知ってはいるけど…。そういうのじゃなければ…まぁいいかな…。 百も千歳も、本当のこと教える気はなさそうだし。 「なくても作ればいいしね!」 「え…柳木はどこまで本気なの…?」 柳木くんが衛宮くんを困惑させてる。 「んー、でも柳木くんなら信用できるよね」 「えっっじゃあなかったらほんとに作っていいですか!?」 「本気?」 「柳木はちょっと落ち着け」

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