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第110話
購買でそれぞれお菓子を選んで、じゃあまた週末の時間とか詰めよーね!って約束してから別れた。
そうだ、どこかで茅ヶ崎と衛宮くん会わせておかなきゃ。あの二人はまだ顔合わせてないもんね。うっかりうっかり。
「ってなわけで茅ヶ崎、一回顔合わせしとこ?」
「いいよぉ~。おいしそう?」
「人間を『おいしそう』って表現するのは置いとくとして、そうだなぁ…百や千歳には全然敵わないけど、まぁカッコいいかな? 俺は柳木くんの方が好きだけど」
「上げて落とすどころか落として落とすねぇ~」
「ちょっと上げたでしょ。茅ヶ崎の好みかどうかは分かんないな」
「う~ん、でも僕大概おいしく調理できるからなぁ~」
「それはそれですごい」
もはやある種の才能なのでは。
「ねぇ、全然タイプじゃないのはどうしてるの?」
「腕の自由奪ってぇ~、転がしとくのぉ~」
「へぇ」
なんだ、意外と普通…
「恥ずかしい格好でねぇ~」
…じゃなかった。
「下着をねぇ~、女の子のに換えてあげたりとかぁ~うふふ」
「うっわ…」
「女の子の下着つけてほしい、って人 結構いるんだよぉ~。だからカバンに入れてることあるんだけどねぇ~」
「そこは別に話してくれなくていいよ」
「女王様つけてみないぃ~?」
「みない」
「バッサリぃ~」
そういう趣味じゃないもん。
「レースのスケスケのとかあるよぉ~」
「いらないから」
「黒レースのエッチなのとかぁ」
「いらないって言ってるでしょ」
「でも女王様にはやっぱ白レースのかなぁ~」
絶対着ないからな。
しかし衛宮くん…悪い人じゃないんだよね。柳木くんのことは純粋に心配してたし。ちょっと何かアレなだけで。
顔合わせついでに当日の時間とかも決めちゃいたいな。
――っていうことを百に伝えると、柳木くんと連絡を取ってくれた。明日の昼休みに一緒にごはん食べながら相談しよう、って決まって、楽しみさが上がる。
俺は出掛けるのが純粋に楽しみなんだけど、茅ヶ崎はどうも衛宮くんがどんな人なのかが楽しみになったみたい。
「そんなに期待するとアレだよ」
「女王様ナチュラルに失礼なこと言ってるよぉ~」
そうかな。
「まぁでも僕も何でもいいってわけじゃないからなぁ~」
「気に入らなければぐちゃぐちゃにしたまま置き去りにするんだもんね」
「うん、そう~」
散々焦らして焦らして焦らしまくった挙げ句に置き去り…。…男の象徴がつらそう。
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