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第111話

茅ヶ崎のそういうのはとりあえず置いといて。 翌日の昼休み、食堂で柳木くんたちと合流。 「会うの初めてだよね? 茅ヶ崎も当日 一緒に行くから」 「茅ヶ崎 優和ですぅ~。よろしくぅ」 「あー、衛宮 遥(はるか)。よろしく」 へぇ、衛宮くんって下の名前 遥っていうんだ。 「早速だけど待ち合わせ場所と時間決めよう? しろくまランド自体は9時半開園なんだよね」 「最寄りから歩いても20分くらいだし、9時くらいに着く電車でいいですよね。そしたらえっと…」 柳木くんがスマホをぽちぽちして乗り換え案内で時間を調べてくれる。 「8時20分の電車あるけど…開園してから入るんでも良ければもっと遅くてもいいし…」 「あれ。寮の外出って何時からOKなんだっけ?」 「部活とかなら結構早い時間から大丈夫だけど、遊びに行くんなら8時半だな」 さすが千歳。ちゃんと知ってる。 「そしたら8時50分の電車があるから、俺たちは9時のに乗ればいいね、衛宮」 「あー? あぁ、そうだな」 「じゃあ同じ電車に乗って合流すればいい?」 「そうですね!」 …何か俺と柳木くんで喋ってるし、茅ヶ崎は衛宮くん見てるし、衛宮くんは何か……こっち見てるし。何だろ、これ。 「じゃあ俺たちは8時半に寮出ようね」 「そうだな。今日 外出届もらっとくか」 「あ、そうだね。忘れないうちに。茅ヶ崎もいい?」 「いいよぉ~」 話はちゃんと聞いてたみたい。 茅ヶ崎はパッとこっちを見て、にこっと笑った。 それからネットでテーマパークのマップを見ながら、行きたいとこの目星をつけておく。 「これ、この しろくまジェットコースター乗りたいの」 「女王様、絶叫系好きなのぉ~?」 「ううん、苦手」 「「「???」」」 俺の返事に、千歳と百以外が見事に『えっ??』って表情を浮かべた。そうだよね。 「苦手なんだけど、これは一回乗ってみたいの。ほら、可愛いでしょ?」 ジェットコースターの正面がしろくまの顔になってて、そのつぶらな目が可愛い。っていうか、キャラクターのしろくまがほんとに可愛い! 「…女王様ってSだけどたまにMなのぉ?」 「Mではない。痛いの嫌いだし、俺のもの扱いされるのほんと嫌いだし、理不尽なことされたら噛みつきたいもんね」 「だよねぇ~。なのに苦手なジェットコースターには乗りたいのぉ~?」 「一回だけね。一回しか耐えられないから」 柳木くんは「そんなとこも可愛いです!」って言ってたけど、衛宮くんは最後まで「???」って顔してた。

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