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第128話

「…好きなやつのワガママなら、できるだけ聞いてやりたいとは思う、けど。全部叶えられるわけじゃない」 「そりゃもちろんそうだよ」 「できない時は、どうすればいい?」 できない時? 「…………あんまり考えたことなかった」 だって香月さんには言えてなかったし。 大体 百と千歳が叶えてくれてたし。 「…とりあえず、はちゃめちゃに甘やかしてくれれば」 「甘やかす、って…ほんとに『女王様』って感じだな」 衛宮くんはちょっと笑った。 「相瀬の言う『友達から』ってのは、ふたりででかけるのもアリなの?」 「うん、いいよ。…変なことしないなら」 「変なこと?」 「前に1回、初めて一緒に出かけた人にホテルに連れ込まれそうになったことあったから。そういうことじゃなければいいよ」 「そんなことしねぇよ」 嫌そうな顔をして言う衛宮くん。そういうことするやつと思われたくないのは分かるんだけどね。 「されるとは思ってないけど、そういうことがあったってこと。恋愛的に好きになれるかどうかが前提だけど、すぐえっちとかしたくないし、気持ちの温度差とか、ちゃんと知っておきたいから」 「温度差?」 「…どこまで望んでるのかな、とか。えっちな意味で」 「そ、…」 どういう意味か思い当たったんだろう、衛宮くんはちょっぴり頬を赤く染めた。 「俺は、別にすぐそういうことしたいわけじゃないから」 ってことは、付き合ったらいつかは、とは思ってるのかな…? そういうの込みで好きってことなのかな。 「…いずれはそういうことしたい、って思ってる、ってことでいい?」 「っそ、その確認必要なのかよ」 「前のこと持ち出して悪いんだけど、香月さんとはそこがすごい噛み合ってなかったから。俺はまだ全然気持ちがそこまで育ってなくて、でも香月さんはそういうのもしたい意味で俺のこと見てたから」 衛宮くんは、ふーん?って感じで俺のことを見た。 「割と恋愛感情と性欲って直結してるもんだと思ってた」 「なるほど」 「けど、相瀬は違うんだな」 「付き合ったらそうなるのは分かるんだけど、そういう…性的な魅力?みたいなのって、すぐに感じたりしないかも」 「そうか」 あ、でも百のキスはえっちだな、って思ったな。ああいうのも、いわゆる性的な魅力ってやつだよね。 「とりあえず、俺と付き合えるかどうかって目で見てくれる、ってことでいいんだよな?」 「うん。そのつもり」 「それならまぁ、友達からで…」 「ありがとう」

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