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第130話

でも俺、自分で衛宮くんのこと知るのも大事だけど、周りから見た衛宮くんも知りたいな。 柳木くんは友達として衛宮くんをどんな風に見てるんだろう。 今までがあんまり男見る目なかった(…)から、やっぱ自分以外の視点って知りたい。 けどそれには衛宮くんが告白してくれた事実を伝えないと…いや、友達としてどう見てるか聞くだけなら…。 よし。後で聞いてみよ。 「じゃあ、俺の用事はそれだけだから」 「あぁ」 「あ、しろくまありがとね。スタンプラリーの景品のやつ」 それじゃ、と手を振って、俺は教室へ。 ひとまず友達から始めるけど、恋愛的な意味でちゃんと見ないとな。…失敗したくないし。 茅ヶ崎は、結婚するわけじゃないんだから~、って言ってたけど…。確かにそうなんだけど、まともな彼氏っていうか…可愛い恋愛してみたいし、ワガママだって言いたいし…ちゃんと楽しいことを楽しみたい。 相手の理想に合わせたり、すぐえっちなこと持ち込まれたり、あれやこれやと言われたり、そういうのじゃなくて。 何かなー失敗したらちゃんと学ばないとね、俺。 「ただーいまー」 「おかえり」 「用事は済んだのか?」 教室に戻れば、百と千歳がお出迎え。 「うん。まずは友達から、って言って、おっけーもらった。で、ふたりで出かけることになった」 「積極的だな」 「ほんとだね」 でも嫌じゃないし。重要なのは、恋愛的に好きになれるかどうか、ってとこだもんね。 今度は顔だけで選ばないようにしないと。性格も知ってから決めるんだ。 「でもさー、百たちに甘えちゃうのは控えられる気がしないんだよねー」 言ってる端から百に寄りかかっちゃう俺。 「習慣みたいなもんだからな、これ」 「だよねー」 髪撫でてくれるし頬撫でてくれるし。 ほっぺや額にちゅーしてくれるし。 やばいよね。 恋愛的に満たされればきっと大丈夫だと思うんだけど…。 「…衛宮くんに甘えられたらいいのかな…」 「あぁ、それはあるかもな」 「でも、まだ付き合ってないのにこんな風にベタベタしたら、色々めんどくさいことになりそうだよね…」 「変な虫除けにはなるんじゃねーの?」 「虫除けかぁ…」 初対面なのに『蜜』とか呼び捨てで呼んでくる馴れ馴れしいのとか、靴箱に『オレので型とりました』って手紙とディルド突っ込んで来るのとか、そういう変なのの虫除けは百と千歳がなってくれてるからなぁ…。 入学したばっかの時はひどかったなぁ…。

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