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第172話

――と、思っていました。 でもごはん食べたらバラ風呂だし、その後は百のスキンケアと全身マッサージだし、そのさらに後は千歳の用意してくれた美味しいチーズケーキとお茶でまったりだし、そんでさらにゲームで遊ぶし。 戯れにキスしながら床に転がって3人でごろ寝して、気づいたら朝だったし。 「で、結局ノープランなんだよね」 「女王様ってそういうとこあるよねぇ~。まぁでも騎士様たちついてるしぃ、何にも心配することないけどねぇ~」 と言いつつ茅ヶ崎もいてくれるもんなぁ。 いつもだったら校門の付近で会うんだよね。そこから一緒に行くわけだけども…。 「…うーん…」 「どうしたのぉ?」 「うん、何か…校門のとこに2人いない? どっちも見覚えあるんだけど…」 「ほんとだねぇ~」 1人は衛宮くん。もう1人は…香月さん…? 何で…? しかも何か…2人雰囲気最悪なんだけど。近寄りたくないんだけど。 でも学校に行かないわけにはいかないので近づいて行くと、徐々に声が聞こえてきた。 「振られたやつがいちいち口出してくんのやめてもらえません?」 「口を出したくないがどうも目に余るから言ってるんだ。あんなことを続けてたら明日にでも振られるぞ」 状況的には…香月さんが衛宮くんに何か……何か言ってる。振られた振られるって単語が出てくるってことは…俺のこと…? 「明日にでも振られるって言うかぁ、今日振られるけどねぇ~」 茅ヶ崎、今それは笑えない。 「は? 何それ。振られた男の忠告っすか?」 「そう取ってもらって構わない」 香月さん…。 「何か先輩ちょっと男前になったねぇ~。性格が」 「うん…。でも最後に言われたのは忘れてないけど」 「抱かせてくれ、って叫んでたもんな」 百が軽く笑う。千歳は隣で少し苦い表情。 あれは頂けなかった。 「あれって俺が声かけなきゃダメかなぁ…」 やだなぁ。 「女王様、やだなぁ、って思いっ切り顔に出てるよぉ~」 「俺 素直だからしょーがないよね」 「それはしょうがないねぇ~」 って言うか通りづらいし声かけづらい。どうしようかな…。 でも気づかれるのも時間の問題だし。あそこ通らないと学校入れないし。 仕方ない。行くか。 「俺が声かけてくるから、その間に先行ったら?」 「え」 百の申し出に、思わず千歳を見上げる。いいのかな。 千歳は悩むような表情で百を見た。

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