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第176話

まぁでもそれは言っても仕方ない。 「いつまでも自分のだと思われてるのも癪って言うか…何か気持ち悪いから、早いとこ別れる話しなきゃ」 連絡しようとスマホを取り出すと、LINEの通知がいくつか来ていた。気づかなかった。 開いてみれば、別れようと思っている衛宮くんから。 どこにいる? 学校来てないのか? 無視すんな。返事しろ。…こんなようなメッセージばっかり送られてきてた。 「なぁ~にこの彼氏面したLINE」 「う~ん…言いたいことは分かるけどぉ、本人まだ彼氏のつもりでいるからねぇ~? 彼氏面もすると思うよぉ~」 「不快」 不快。と送る素直な俺。 あ、ついでに昼休み話したいことあるから、って送っとこー。 メッセージにはすぐに既読がついた。でも俺はこれ以上やり取りするつもりもなかったからそのままLINEを閉じる。 「昼休み話したいって送ったから、とりあえずいいね」 「女王様やること早くなぁいぃ~?」 「善は急げって言うでしょ」 「言うねぇ~」 けどちょっと不安なんだよねぇ~、って、茅ヶ崎らしからぬ反応。 「不安って?」 「う~ん…力に物言わせるみたいなぁ~?」 「千歳と百がいてそんなん出来ると思う? 茅ヶ崎もいるんだよ?」 「あっ、じゃあ大丈夫だよねぇ~」 「さらっと自分が組み込まれてることには触れなくていいんだな?」 「ふふっ、あのねぇ~須賀谷くん~。僕はぁ、女王様のお役に立てればいいなぁ~、くらいの健気で可愛い気持ちも持ってるんだよぉ~」 「健気は茅ヶ崎と対極にある言葉…」 「ちょっと須賀谷くぅん!? 益々ひどくなぁいぃ~?」 千歳って、茅ヶ崎の扱いが雑になってくよね。…言わないけど。 「まぁまぁ茅ヶ崎。可愛いは否定されてねぇから」 「そうだけどぉ~」 百に宥められて、茅ヶ崎が唇を尖らせつつ渋々引いた。LOVEかLIKEかは置いとくとして、茅ヶ崎ってほんと百のこと気に入ってるよなぁ。 やらないけど。 「そのモヤモヤで誰かに突撃してくれば?」 「活きのいいのいるかなぁ~」 「はは。衛宮に突撃してくればいいんじゃないのか?」 「……須賀谷くん、気持ちは分かるけど目が笑ってないよぉ」 「俺のこと黒いって言ったくせに…。真っ黒じゃねーか」 2人から突っ込まれてる千歳も珍しいな。 「ま、でもああいうタイプ捩じ伏せるのも楽しいけどねぇ~」 茅ヶ崎が悪い顔して笑った。

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