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第189話

茅ヶ崎…ノリノリで脱がしてくじゃん…。 「あ、結構 筋肉ついてる感じぃ~。ふぅ~ん?」 「ちょ、さわっ…んな!」 「ふふっ。脇腹弱いねぇ~?」 「やめろ! 悪魔みたいな笑み浮かべやがって!」 「えっ、ひどぉ~い。ところで乳首って結構気持ちよくなるらしいよぉ~。えいっ」 「痛ぇ!」 今ギュッて摘まんだよね…茅ヶ崎…。 「てめぇ、ふざけんなよ! こんなことして…ッ」 「んふ。こんなことしてなぁに? ただで済むと思ってんのか、って? 思ってるよ?」 「…っ、」 茅ヶ崎って……ああいうことする時は雰囲気変わるんだな…。いつもきゃらきゃらしてるのに、静かにじっくり獲物を追い詰めるのを楽しんでる節すらあるように感じる。 「女王様にこういうことするつもりでいたんでしょぉ? なら自分が同じことされても文句言えないよねぇ?」 「ふ…っ、ふざけんな!」 百が離した腕で茅ヶ崎に殴りかかるけど、茅ヶ崎はそれを軽々躱した。 「…っ、結局ひとりで何にもできねぇのな、相瀬って。こうやって取り巻きつれてなきゃいられねーんじゃん。だっせ。いくつだよ」 「じゅうろくー。ひとりで何にもできなくてダサいから別れてくれるよね。そこまでバカにした相手がまだ自分と付き合いたいなんてそんなバカみたいなこと思うわけないもんね」 「そっ…」 「ついでに言うけど、取り巻きじゃなくて彼氏だから。あ、茅ヶ崎は違うけど」 「そこは僕も入れてほしかったなぁ~」 「ごめんけど無理」 「…………………かれし?」 今の『かれし?』の言い方最高にバカっぽくていい。 「彼氏」 「…どっちが」 「どっちも。百も千歳も、どっちも俺の」 「は?」 「ずっと一緒にいたのに、今さら誰より大事で大好きなふたりだって気づいたの。どっちかなんて無理。どっちも欲しいから」 千歳に腰を抱かれたまま、百に手を伸ばす。 百はその手を取って、騎士のように指にキスを落とした。 ちょうど同じタイミングで、千歳も俺の頬にキスをする。 衛宮くんはそれを愕然としたような表情で見ていた。 「なん…だ、それ…」 「キスして」 ふたりに言えば、代わる代わる唇を重ねてくれる。茅ヶ崎が混ざろうとしたのは阻止した。 「…何だそれ。3人で付き合うのか? 頭おかしいよ、お前ら」 「おかしくないよ。俺たちにとってはこれが一番自然だもん。俺ってすごくワガママだって言ったでしょ? どっちかじゃ満足できないの」

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